堤内研究室

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中部大学ワイン・日本酒プロジェクト

中部大学ワイン・日本酒プロジェクト

堤内研究室は中部大学ワイン・日本酒プロジェクトに協力しています。

(中部大学ワイン・日本酒プロジェクトのオリジナルサイトはこちら

 

ワインプログラム

 2013年、「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録され、和食に関する人々の関心がそれまでにも増して高まることとなり、日本産ワインが注目されるようになりました。また、日本固有の品種「甲州」、「マスカット・ベリーA」、「山幸」が国際ブドウ・ワイン機構(OIV)にそれぞれ2010年、2013年、2020年に品種登録され、日本産ワインの輸出への期待が高まっています。近年、栽培技術の向上などにより国産ワインはその品質を向上させていますが、ブドウ果実の糖度の上昇と熟成を妨げるウイルス感染に対してはまだ十分な検討がされていません。

葉巻病の症状が認められた甲州ぶどうの様子

 

 葉巻病ウイルスはしばしば感染が認められるウイルスの1つです。葉が下向きに巻く、葉の色が変色するなどの症状が現れます。感染したブドウでも美味しく頂けるのですが、感染樹では果汁の糖度が低下する傾向があります。

 ワイン醸造では果汁に含まれる糖がアルコールとなります。ゆえに、糖度の低下はアルコール度数の低下をもたらします。そこで、しばしば行われるのが補糖、つまり糖の追加です。日本では補糖が認められていますが、補糖に厳しい制限を設けているワイン生産国もあります。日本の固有種である「甲州」は糖度が上がりにくい傾向があるため、補糖が一般的に行われていますが、栽培管理を工夫することによって糖度の高い果実を得ることができ、補糖をしなくても美味しいワインを得ることができるようになっています。 

 栽培管理の要素の1つに『ブドウ樹をウイルス感染させない』という取り組みがあります。そこで中部大学ワイン・日本酒プロジェクトでは、成長点培養によるウイルス非感染甲州ブドウ苗の作出を行いました。閉鎖系温室で栽培した甲州ブドウの糖度はさらに、ウイルス非感染甲州ブドウ樹に実ったブドウ果実を用いた試験醸造を行いました。

こちら(↑)は町田先生・小島先生のお仕事です。生物機能開発研究所の紀要にまとめられています。

閉鎖系温室で栽培した甲州ブドウの糖度はBrix値で21と高い値を示しました。

試験醸造は福山大学の吉崎先生に行って頂きました。

比較のために用いたウイルス感染の甲州ブドウはBrix値16でしたが、

この時は補糖をしましたので完成したワインのアルコール度数はともに13% でした。

 

 堤内研究室は化学に基づく知識と技術をもとに、ブドウおよびワインの成分分析に取り組んでいます。また、ウイルスフリー甲州ブドウの圃場栽培にも協力しています。

 

閉鎖系温室で栽培したウイルスフリー甲州ブドウの果汁および醸造したワインの成分分析

 ウイルスフリー甲州に関しては検体数が少なく、比較している感染ブドウについては栽培地も気象条件も異なるため、厳密な比較はできません。参考データとしてご覧下さい。

 

ウイルスフリー甲州ブドウの圃場栽培

 堤内研究室が協力しているウイルスフリー甲州ブドウの成長の様子(2021)をタイムラプス動画にしました。宜しければご覧下さい。

 共同研究をしている久保田農園様、富士山ワイナリー様の収穫、醸造仕込みの手伝い(2021)もしました。こちらも動画(久保田農園・富士山ワイナリー_収穫・醸造支援_2021)にまとめました。この時の果汁が中部大学ワイン「白亞」となっています。

ちょっと和風な雰囲気で写真を撮影してみました。

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