堀部研究室(園芸学研究室)

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サボテンのまち(愛知県春日井市)

日本サボテンの産業(概要)

サボテンは遅くとも1690年頃には日本に渡来していたと考えられています。長期にわたりサボテンは貴重品であり一部の趣味家が保持するのみでしたが、1900年頃にはサボテンの生産と販売を行う園芸店が出現しています。その後全国で生産農家や通信販売業者が現れ、1930年頃にはサボテンは大流行します。1950-60年頃にはドイツやオランダ、アメリカなどに輸出も行われていました。現在でもサボテンは多肉植物とともに観賞植物としての地位を確固たるものにしています。国内各県のサボテン出荷量の統計調査は現在行われていませんが、2006年の時点では愛知県が1位であり、岐阜県、埼玉県が続きます。

「サボテンのまち」 愛知県春日井市

日本ではサボテンはあくまで観賞植物であり、野菜や食品として認識されていませんが、ノパルを使った地域活性化を目指している地域があります。それが私の勤務する中部大学のあるまち、「サボテンのまち」と呼ばれる愛知県春日井市です。春日井市は種から観賞用のサボテンを育てる実生栽培で知られており、出荷量全国1位の実績も持つサボテン産地です。しかし現在は農家の高齢化と後継者不足が深刻な問題となっており、存続が危ぶまれる状況に陥っています。このような状況を打破するため、春日井商工会議所が中心となりサボテンを活用した地域活性化を目指す取り組み「春日井サボテンプロジェクト」が行われています。具体的な取り組みとしては、ノパルを使った商品開発、料理教室の開催、マスコット(ゆるきゃら)の開発、LINEスタンプの作成など多様な活動が実施されています。また毎年春には市内でサボテンをテーマにしたイベントが開催され、そこではノパルを使ったラーメンやビール、コロッケなどを食べることができます。今後の「サボテンのまち」の取り組みに注目して頂きたい。

日本ではノパルは新しい機能性野菜として大きなポテンシャルを有しており、今後様々な展開が期待できる農業シーズです。私(堀部研究室)はこの春日井サボテンプロジェクトに専門家として加わっており、サボテンの生産性及び機能性向上を目指した研究や、広告宣伝活動に関する助言等を行っています。また現在は在日メキシコ大使館やメキシコ(サボテン産業の中心)の企業・研究者とも連携し、食用サボテンの普及拡大を目指した取り組みも実施しています。個人的にはサボテンをきっかけにして日本とメキシコの都市間、大学間の研究交流を推進したいと考えています。

春日井市内ではノパルの加工品が販売されています。またサボテン料理を提供するレストランも複数あるので、春日井に来た際はぜひ一度サボテンを食べてみて下さい。

①JR勝川駅前のモニュメント       ②伊豆シャボテン公園視察        ③サボテンの日本料理

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