中部大学の研究活動

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超小型インフルエンザウイルス検出センサー、国際ナノテク展で産学連携賞受賞 (河原敏男教授ら)

【2018年2月21日】

プレスリリース

発表内容

 中部大学工学部の河原敏男教授別サイトにリンクしますと生命健康科学部の鈴木康夫客員教授が加わる研究チームは、2月14~16日に東京都内で開かれたナノテクノロジーに関する世界最大級の総合展・技術会議nano tech(*1)で産学連携賞を受賞した。大阪大学産業科学研究所の松本和彦教授が代表を務める科学技術振興機構(JST)のプロジェクト(*2)の成果で、受賞理由は手のひらサイズのセンサーを使いインフルエンザウイルスを短時間で測定できる技術の開発。
 センサーに唾液や糞を付着させると、ウイルスが数個含まれれば数分で検出できる。従来の技術ではウイルスを100万個程度まで増やさないと検出できなかった。新型センサーは例えば死んだ鳥の糞を検査してヒトに感染するウイルスが含まれるとわかれば、海外産なら未然に輸入を防げる。動物園で死んだ鳥が感染していれば、速やかに対応策を講じることができ、従来のように長期間休園しないですむようになる。現在はヒトに感染する鳥インフルエンザの検査を目的にしているが、糖鎖の種類を変えれば様々なウイルスに対応できる。研究チームは今後、吐息でも様々なウイルス感染がわかる小型センサーの開発も目指す。
 センサーには2010年にノーベル物理学賞受賞対象となった炭素素材グラフェン(シート状炭素分子)(*3)を用いた。グラフェン表面にヒト由来の糖鎖を修飾しておく。糖鎖が唾液などに含まれるインフルエンザウイルスと結合すると電流が変化する。センサーにはUSB端子が付いており、パソコンから電源を供給できる。5年以内の実用化を目指している。
 研究チームには大阪大学と中部大学のほか京都府立医科大学、香川大学、村田製作所が加わった。企業と大学が連携して画期的な技術の実用化を目指していることから、nano techを主催する実行委員会(主にナノテクノロジーの専門家約30人で構成)が産学連携賞に選んだ。

用語解説

*1 nano tech

2002年にスタートした「国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」。毎年1回開催しており今回が17回目。約30人の実行委員会が主催する。日本政府や海外の駐日大使館などが後援し、今年は24の国と地域が最先端のナノテクノロジーを紹介した。文部科学相など政府関係者を含めて3日間で約4万4000人が来場した。実行委員会が出展の中から大賞や産学連携賞など9つの賞の受賞者を選んだ。

*2 JSTプロジェクト

nano techで産学連携賞の対象となったのは、科学技術振興機構(JST)が推進するプログラムの1つCRESTの中のテーマ。タイトルは「糖鎖機能化グラフェンを用いた二次元生体モデルプラットフォームの創成」。大阪大学の松本和彦教授が代表を務める。

*3 グラフェン

炭素原子が六角形状につながって広がる1層のシート。厚さは約0.34ナノメートル(1億分の34ミリメートル)。層状に積み重なっているのが鉛筆の芯に用いるグラフェン。1枚のシートとして単離し、研究や応用の道を拓いた英マンチェスター大学の科学者が2010年のノーベル物理学賞を受賞した。超高速で演算できる素子やセンサーなど幅広い分野への応用が期待されている。全世界の大学や研究機関が個別に研究を進めているほか、国内では国立研究開発法人の産業技術総合研究所が2013年にグラフェン関連材料の開発や実用化を推進するための産学官連携組織「グラフェンコンソーシアム」を設立し、情報交換のための講演会を年に3、4回開催している。

問い合わせ先

河原敏男 (中部大学 工学部電子情報工学科 教授)
電子メール:toshi[at]isc.chubu.ac.jp ※アドレスの[at]は@に変更してください。
電話:0568-51-9314(直通)

  • 共同研究者:松本和彦 大阪大学 産業科学研究所 教授

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