中部大学の研究活動

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山口研究室 (工学部 電気システム工学科 / 超伝導・持続可能エネルギー研究センター)

地球規模の超長距離送電はエネルギー問題解決への1つの方法です

超長距離送電システムで地球規模の電力網を

山口作太郎教授

送電線に抵抗ゼロの直流超伝導線を導入し、送電線損失の少ない送電システムの研究開発を行っています。最終的には地球規模の電力網を作ることが目標です。

炭酸ガスによる地球温暖化の防止や化石燃料の枯渇問題のため、急速に太陽光発電や風力発電の導入が進んでいます。太陽光発電や風力発電に適切な場所は人口密集地から遠く離れているので、長距離を低損失送電するシステムが必要になります。現在でも~2000kmの長距離送電は直流が広く使われています。そこで、直流大電流が得意な超伝導を長距離送電に応用する研究を進めています。

長距離送電に適している直流超伝導

図1は日照条件が良く広大な中国のゴビ砂漠に太陽光パネルを設置して日本に送電するイメージです。日本なら70km四方、中国なら100km四方、世界の主要国なら250km四方の面積で全ての電力を賄えます。ゴビ砂漠から日本までは5000kmくらい離れていますので、直流超伝導送電に適しています。

他のエネルギーとの組み合わせにも適しています

また、直流超伝導送電は電力貯蔵能力もありますので、出力が不安定な自然エネルギーとの組み合わせに適しています。また、地球規模の送電ができると原子力発電所との相性も良いです。現在、原発は世界に450基有ります。そして、今世紀中に2000基作る計画があります。たぶん22世紀には太陽エネルギーだけで人類の使う全エネルギーは賄えるのですが、今世紀は原発と太陽エネルギーの両方を使うと思われています。一方、世界中どこでも昼間の電力消費は夜間ではほぼ2倍です。電力は貯蔵できないので、発電施設は昼に合わせて作られ、夜間は余剰な発電施設を抱えます。図2のように、昼と夜の地域で電気を融通し合うことが出来れば、二酸化炭素の放出量の少ない原子力発電設備を効率的に利用することができると同時に、22世紀では廃炉する原子炉数も減るでしょう。

直流超伝導送電ための世界初の実験施設

図3は直流超伝導送電のための世界初の実験施設です。真空断熱した金属のパイプの中に液体窒素で冷却された超伝導ケーブルが入っています。今までの研究で通常の送電に比べて損失が極めて少ないことが分かりました。今後、実用化に向けて計画を進めています。

図1クリックすると拡大します

【図1】タクラマカン砂漠などから日本まで直流超伝導送電をするイメージ。赤角で示された領域が日本の、緑角が中国、白角が世界の主要国の電力需要と満たす太陽電池パネル面積。赤丸は他の自然エネルギー源を示す。これから今世紀は太陽エネルギーが急速に普及し、22世紀には太陽エネルギーのみで人類の全エネルギーを供給することが可能と考えられています。

図2クリックすると拡大します

【図2】ヨーロッパと日本を結ぶ直流超伝導送電システム。このビジネスモデルは、深夜早朝の安い電気を仕入れて、昼間の電力価格の高い地域で販売する。このようなビジネスは世界平和への貢献も可能になろう。

図3クリックすると拡大します

【図3】中部大学内にある20メートル直流超伝導送電実験施設。現在、200メートルの装置を計画中(2009年4月現在)。

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