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シンポジウム「東南アジアの日本人社会の形成と変遷 在日外国人との共生のために」(国際関係学科 教授:青木 澄夫)

【2015年2月16日】

 

                                

2015年2月6日、中部大学30号館3011講義室で、シンポジウム「東南アジアの日本人社会の形成と変遷 在日外国人との共生のために」が、中部大学国際関係学部と大学院国際人間学研究科の共催、中部大学民族資料博物館と東南アジア学会中部地区例会の後援で開催された。 

PDFファイルリーフレットダウンロード(PDF形式:約3.2MB)

このシンポジウムは、私が日本学術振興会科学研究費補助金(基盤C)(2012~2014)および中部大学特別研究費A(2012~2013)の支援を受けた「南洋における日本人社会の形成と変遷 在日外国人との共生の一助として」研究の成果公表の一部であり、開催はJSPS科研費24617019の助成によるものだった。 

近年、日本企業の東南アジアに向ける眼は熱い。愛知県に限っても、帝国データバンクの調査では、インドネシア進出している企業は、2012年の117社が、2014年には214社にと急増している。親日国の国も多く、自動車製造業などの大企業だけではなく、飲食業、サービス業など中小企業の進出も増えている。 

その東南アジア諸国に、100年以上も前から日本人が定住し、経済活動を行っていたことはあまり知られていない。多くは貧しい人たちだったが、日本人たちは次第に結束し、1897年のインドネシア北部の町メダンをはじめとして、相互扶助のために各地で日本人会が結成された。日本政府の庇護がほとんどない中、日本人社会はどのようにして生まれ、成長し、また現地社会と融合していったのか。私たちが直面する在日外国人との共生社会が、そこから学ぶものはないだろうか。これが、本シンポジウムの目的だった。 

シンポジウムは、国際関係学部長兼民族資料博物館長でもある和崎春日教授のご挨拶に始まった。

                                       

本シンポジウムの趣旨説明を私が行い、あわせて2月6日から27日まで民族資料博物館で開催中の私の企画展「日本人が残した100年前の写真絵葉書に見る東南アジア 付アフリカ展」の内容に沿いながら、東南アジアの日本人社会形成過程について報告した。 

次いで、インドネシア共和国パジャジャラン大学から招へいしたリスマ・リスメラティ講師が、「日本が気づかせてくれた私のアイデンティティ」を講演された。

                                       

リスマ講師は金城学院大学大学院修士課程を修了されたインドネシアの若き日本語学研究者であり、私の現地研究協力者でもある。また昨年実施した青木ゼミインドネシア研修ではゼミ生のために献身的に対応してくださった。講演では、日本滞在がリスマ講師に、日本との文化の相違を考えさせるのみならず、インドネシアの多様性に気づかせてくれ、自らのアイデンティティを考えるきっかけとなったことを、当時の在日外国人の立場から流暢な日本語で発表された。 

「戦後フィリピン日系人の日本における「共生」―日系3・4世の日本への帰還現象を事例として」は、上智大学外国語学部英語学科の飯島真里子准教授の講演だった。

                                      

飯島准教授は、戦後フィリピン、特にダバオに残留した日系3・4世の日本への「帰還」現象に注目し、日本とフィリピン日系人の関係性を「共生」をキーワードに考察された。聴講した学生の一人は、「多文化共生の実現のためには、国籍・エスニシティ(民族性)を超えた人々の持続可能な繋がりの重要性と、異なる国・地域・人々を繋ぐエイジェンシーとしての可能性を広げることが重要だ」と、レポートに書き記している。論理的ながら、わかりやすい語り口は、聴講者に多くの刺激を与えてくださった。 

早稲田大学大学院アジア太平洋研究科の村嶋英治教授は、私が尊敬している研究者のおひとりである。そのち密な調査と検証方法は余人の追随をゆるさないものがある。

                                   

「タイにおける日本人社会の形成と変遷」では、明治期文献・資料の収集方法から、現在研究中の明治から昭和にかけてタイで経済活動を行った日本人について報告された。とりわけ愛知県人とタイの関係に重点を置かれ、多くの愛知県人が初期の段階(1880年代)からタイとの商業活動に関与していたことを具体的に例示していただいた。私にとっても全く知らない愛知県人の名前が次から次へと登場し、改めて愛知県人の先進性を認識することになった。 

質疑応答では、フロアから活発な質問が発せられ、講師から丁寧な回答・コメントがあった。最後に共催者を代表して、大学院国際人間学研究科長の林上教授から総括していただいた。 

                                 

シンポジウム当日は、晴天に恵まれ、神戸、大阪から、また他大学の留学生の参加者も含み、延べ80名ほどの方に聴講していただいた。本学の学生の参加が少なかったことは残念だったが、平日に開催されたシンポジウムとしては予想以上に盛況であった。ご多忙中にもかかわらず、和崎春日国際関係学部長、林上大学院国際人間学研究科長には最初から最後までお付き合いいただき、また同僚教員のみなさんにも多数参加いただいた。 

今回のシンポジウムの開催準備に当たっては、国際関係学部の事務室のみなさんにご支援いただいた。また試験期間中にもかかわらず、私のゼミ生16名が会場設営と撤収、配布資料の作成と受付などを担当してくれた。会場には青木ゼミ生の活動パネルも合わせて展示した。彼ら彼女たちのサポート無くしては、このシンポジウムは実現しなかった。 

                  

ご支援・ご協力をいただいたみなさんのおかげで、シンポジウムは無事に終了した。

すべてのみなさんに感謝いたします。

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