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8月のメッセージを公開します。

【2018年8月16日】

(お詫び)メッセージ、長らくお休みをいただいておりました。

 久しぶりの更新です。昨年末の発信からお休みをいただいておりました。申し訳ありませんでした。1,2月のメッセージは書きかけていたのですが、あまりにも多忙で最終版を書き上げアップすることができませんでした。
その後、3月は21日に体調を崩し、大学をお休みさせていただきましたので、アップができませんでした。6月から復帰し、徐々に快方に向かっています。復帰早々にメッセージの更新を行いたかったのですが、学科の実習等が重なり、夏休み中の更新となりました。申し訳ありません。

 私は、(頚)椎骨動脈解離に突然襲われました。
 椎骨動脈は脳を栄養する重要な動脈の1つで左右に2本存在します。少し専門的な話になりますが、椎骨は、脊椎の分節をなす個々の骨で、いわゆる首の骨、背骨(せぼね)、腰(こし)の骨です。首の骨を頚椎、背骨を胸椎、腰(こし)の骨を腰椎と言います。この個々の椎骨には左右2つの横突起があり、その根元に横突孔と呼ばれる穴が開いています。この穴の中を椎骨動脈が第六頚椎から第一頚椎にかけて貫通しています。椎骨動脈は、このような場所を走行しているため、首を後ろに大きく曲げる姿勢を取ると、この動脈が圧迫され血流が悪くなり脳への血流が不足したりすることもあるのです。
 私は、もともと頚(くび)のヘルニアを患っており、調子が悪かったのです。研究室で書類を書き上げ、一息ついた時、頚のストレッチ(伸び)をしたのです。その際、うなじに経験したことがないような痛みが走りました。この痛みはたった数秒で、片頭痛や緊張性頭痛と区別することは難しいものでした。ただ、私は医学の勉強をして来ましたので、この痛みは只事では無いと感じ、救急搬送をお願いしました。同じ階に宮田先生と井上先生が居られたことは幸運でした。
 実は、この椎骨動脈解離ですが、日常的な首の運動の積み重ねや軽いけがで、血管が弱って椎骨動脈解離が起きると考えられています。ゴルフのスイング時や美容院での洗髪時、車をバックさせるときの首の急なひねりでも椎骨動脈解離は起きることがあるのです。首を鳴らす癖がある人も要注意です。
 動脈は”内膜・中膜・外膜”の3層構造でできています。この層と層の膜の間が何らかの原因で裂けて膜と膜の間に血液が流れ込む症状が『動脈解離』です。簡単に言えば、頚の動脈にある3つの層がさけるチーズみたいに裂けてしまうことがあり、これが動脈解離という状態です。「血管のけが」と考えられているため、比較的若い人にも起こるとされており、むしろ若い人の方が多いとの報告もあります。
 椎骨動脈およびその分枝の狭窄や閉塞、解離により、様々な病態を起こすことがあります。椎骨動脈が栄養している器官は脳であり、生命維持に関わる部分であるだけに、重大な病変では、致命的となることがあるのです。運が悪いと、一瞬で亡くなる人もいる病気なのです。
 今回、私は命を落とすことはありませんでしたが、平衡感覚、四肢の動きを調節する神経、声を出すことやものを飲み込むなどの脳神経の核に低下が起こりました。この低下に対して、必死のリハビリを行いました。救急搬送された病院は急性期病院のため、症状が落ち着いた時に回復期病院に転院しました。当初、ものは飲み込めないし、立つことも難しい状態でした。「今、動かなかったらダメなんじゃないか」という不安感もありました。しかし、回復期病院のスタッフさんには特にお世話になりました。理学療法士、作業療法士、言語療法士の各先生方には土日・祝日関係なく、リハビリテーションを続けていただきました。チーム医療の重要性を経験しました。(この内容は機会を見つけてメッセージにしたいと思います)
 できる事を増やしていこうと意識してリハビリするようになったら、伸び率も上がり、格段に動きがでてきました。主治医の先生も驚く必死のリハビリで、5月19日に退院できることになりました。この時、まだ杖が必要で、危なげな歩行ではありましたが、食事・更衣・移動・排泄・整容・入浴など生活を営む上で不可欠な基本的行動(ADL:日常生活動作)は自立できていました。そして、6月1日に復帰となりました。

 2ヵ月強、お休みをいただきました。多くの方にご迷惑をおかけしました。ご心配もいただきました。中でも、研究室のゼミ生には迷惑をかけたと思います。他の研究室に再配属となったスポーツ保健医療学科の11人。できることなら再配属は回避したいと嘆願してくれたことも聞きました。それを聞いて、大変嬉しく思いました。家族にも苦労をかけたと思います。妻は毎日病院に来てくれました。感謝しています。卒業生からも安否確認の連絡が多く寄せられました。生命健康科学部の松田事務長には通信ラインとしてことあるたびに連絡を繋いでいただきました。全ての方々、ありがとうございました。
 現在、退院時から使用していた杖も現在は使わずに歩けるところまで改善しました。全快や快気とまでは行きませんが、リハビリを続けて行っており、悪くはありません。“not so bad”と言った感じです。 
 入院中はもちろんですが、復帰後には私の想像を遥かに超える反応をいただきました。部屋に来てくれる学生、コモンズセンターで会う学生、教職員の皆さんと、正直戸惑いを隠せませんでした。こんなに待って下さっている方がいたのかと思うと、胸が熱くなりました。今回頂いたお祝いの声は、忘れられません。
 大学生活において、私にできること、私がやらなければならないことを追求し、多くの学生や教職員の皆さんにこれまで以上に関わっていければと思います。復帰に際し、関わって下さった全ての方々に感謝します。
 引き続き、よろしくお願い申し上げます。

コモンズセンター長  伊藤 守弘(2018年8月16日)

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