中国連携推進プロジェクト

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JST「さくらサイエンスプラン」で嘉興学院、紹興文理学院から学部学生15人の短期研修を実施

【2018年11月1日】

国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の平成30年度「日本・アジア青少年サイエンス交流事業(さくらサイエンスプラン)」の支援を受けて実施しました。

平成30年2回目のさくらサイエンスプランでは、中国・浙江省の嘉興学院と紹興文理学院より、機械、電子、情報、土木と資源、環境、バイオを専門とする学生15人、引率教員2人の合計17人を受け入れ、8日間の研修を行った。学生15人は大勢の希望者の中から選抜された上位数名の優秀な学生たちである。

中部大学到着時の記念写真
1号館前で記念写真

1日目〔9月27日(木曜日)〕:中部大学到着 オリエンテーションと歓迎会

到着後、記念撮影を終えた学生たちはオリエンテーション会場へ向かった。まず、松尾直規中国連携推進部長・工学部長が歓迎のあいさつを行い、嘉興学院の延先生と紹興文理学院の鄭先生があいさつを述べた。続いて中国連携推進室の担当者よりプログラムの概要説明をし、広報センター事務部の鈴木次長が中部大学概要の紹介を行った。招聘学生は日本語や英語で自己紹介を行い、日本滞在経験がないにもかかわらず日本語流暢な学生もいて、中部大学関係者を驚かせていた。

その後一行は図書館、民族資料博物館、不言実行館、国際交流プラザなどキャンパスを見学した。また、伝統和風建築物の「工法庵」「洞雲亭」「爛柯軒」のお茶室を見学した。 

また建築学科の学生が設計、デザインした4号館のトイレを見学した。学生たちからは「キャンパスがきれいで何でも揃っている。」「日本は清潔で、教職員は礼儀正しくとても親切。」との感想が口々に聞かれ、朝早い出発だったにも関わらず、疲れも見せずに、初めて目にする日本の大学に、感銘を受けている様子だった。

午後6時から歓迎会が行われ、福田応用生物学部長の歓迎あいさつに始まり、セミナー担当の教員や中国出身の留学生らを囲んで和やかな雰囲気の中、日本で始めての食事を楽しんだ。

留学生の中には招へい者と同じ大学の卒業生で過去のさくらサイエンスプランの参加者も複数人いて、熱心に留学の為の情報交換および交流を行う姿が見られた。

オリエンテーションの様子
オリエンテーションの様子

民族資料博物館を見学
民族資料博物館を見学

歓迎会の様子
歓迎会の様子

2日目〔9月28日(金曜日)〕:工学部と応用生物学部の概要を知る

2日目は午前に工学部、午後は応用生物学部について学んだ。

工学部のセミナーはまず幅上教授より工学部・工学研究科の概要説明が行われ、続いて工学部の全8学科について各学科を代表する教職員から説明を受けた。

午後の応用生物学部のセミナーでは、長谷川准教授より応用生物学部・応用生物学研究科の概要説明の後、応用生物学部の3学科について、各学科を代表する教職員から説明を受けた。

その後、食品プラント、植物工場、温室など応用生物学部の特徴的な施設設備の見学を行った。


 

工学部セミナーの様子(講義)
工学部セミナーの様子(講義)

応用生物学セミナー(講義)
応用生物学セミナー(講義)

応用生物学セミナー(実習見学)
応用生物学セミナー(実習見学)

食品プラントを見学
食品プラントを見学

3日目〔9月29日(土曜日)〕:工学部、応用生物学部の各学科の研究室を訪問し詳しく学ぶ

3日目は専門にあわせて2班に分かれ、それぞれ工学部と応用生物学部において研究室などを訪問し特別セミナーを行った。

工学系を専門とする第1班の学生は、機械工学科、ロボット理工学科、電気電子システム工学科、情報工学科、応用化学科の研究室を訪問し、より深く学んだ。

旋盤、溶接、放電加工、マシニングセンターなどを備える機械工学実習室、分析計測センターでは、電子顕微鏡や核磁気共鳴装置など高度な分析や計測ができる分析計測センター、都市建設工学科の材料構造実験施設、建築環境実験室などを見学し、説明を受けた。 

情報工学科では岩堀教授の研究室を訪問しロボット理工学科では、ヒト型ロボットや被災地での活動を見据えて開発中のロボットなどを体験した。応用化学科では太陽電池を実際につくる、ミニ実験実習を体験した。

環境、生物を専門とする第2班の学生は、応用生物学部3学科を代表する各研究室を訪問した。

  • 福田雅夫(応用微生物学)
  • 金政真研究室(応用微生物学)
  • 墨泰孝研究室(微生物環境浄化)
  • 長谷川浩一研究室(寄生虫・害虫学)
  • 武井史郎研究室(魚類学)
  • 香西はな研究室(食品栄養管理学)
  • 田中守研究室(基礎栄養学)

機械工学科研究室
機械工学科研究室

ロボット理工学科セミナールーム
ロボット理工学科セミナールーム

電気電子システム工学科のソーラーカー
電気電子システム工学科のソーラーカー

応用化学科ミニ実験実習の様子
応用化学科ミニ実験実習の様子

金政真研究室(応用微生物学)
金政真研究室(応用微生物学)

長谷川浩一研究室(寄生虫・害虫学)
長谷川浩一研究室(寄生虫・害虫学)

4日目〔9月30日(日曜日)〕

4日目の午前はトヨタ産業技術記念館の見学を行った。自動車のイメージが強いトヨタではあるが、その創立は織機からであったことは印象深かったようだ。自動車生産の歴史についても深く学ぶことができた。

トヨタが実際の工程で使用している工作機械の実演も間近で見ることが出来、最先端の精緻で優れた機器の動きを目の当たりにし「すごい。」「感動した。」など、口々に感銘の言葉が聞かれた。

午後は先輩の留学生とともに名古屋駅周辺の視察見学へと移ったが、この日はあいにく台風の接近にあい、学生たちは見学を早々に切り上げて、ホテルに舞い戻った。学生たちはこれまで台風の経験がないとのことで、早めに鉄道が運休になったり、警報が発令されたりして災害に備える日本の高い防災意識に非常に興味を抱き、印象的だったようである。

トヨタ産業技術記念館
トヨタ産業技術記念館

5日目〔10月1日(月曜日)〕大型研究センター、施設の見学、三菱重工業MRJミュージアムを見学する

5日目は、本学を代表する3箇所の研究センターおよび施設を見学した。

「超伝導・持続可能エネルギー研究センター」では超伝導直流送電システムの基礎研究から実用実験に至るまでのプロセスの説明を実際に使われている超伝導ケーブルとそれを使った実験設備を目の前に、説明を受けた。

「国際GISセンター(デジタルアース研究センター)」では、GISを活用したグローバルな防災情報の管理について学んだ。さっそく学生たちが昨夜体験した台風の渦が、北海道沖に到達している様子や、太平洋の南の沖に新たに別の台風が発生し北上しつつある様子がリアルタイムでパネル上に確認でき、また日本全国の停電情報などがMAP上に一目で確認できる最先端技術に、学生たちは興味深く見入っていた。

「スマートグリッドシステム」の紹介では、スマートBEMS(Building Energy Management System)を利用して電力を効率良く利用するシステムの説明を受け、中部大学が推進する「エコ・キャンパス」への多方面からの取り組みを学ぶことができた。また太陽光パネルを見学し、温水プールに活用する取り組に大いに関心を持ったようだった。

午後は、三菱重工業株式会社のMRJ(三菱リージョナルジェット)ミュージアムの見学を行った。MRJの原寸大のモックアップ(模型)に実際に搭乗し、フライドデッキや客室キャビンのシートに実際に座り体感しながら、日本的精緻な工夫を凝らした機器、システム、内装部品について説明を受けた。また実際の主翼と垂直尾翼の構造や実物大のエンジン・パイロンを見ながら説明を受けた後、生産現場の映像による体験、パーツ展示、そして実際の組み立て工場と塗装工程の現場を見学した。

超伝導・持続可能エネルギー研究センター実験施設
超伝導・持続可能エネルギー研究センター実験施設

デジタルアース研究センター
デジタルアース研究センター

スマートグリッドシステムの説明を受けるスマートグリッドシステムの説明を受ける
スマートグリッドシステムの説明を受ける

MRJ(三菱リージョナルジェット)ミュージアム
MRJ(三菱リージョナルジェット)ミュージアム

6日目〔10月2日(火曜日)〕東邦ガス知多緑浜工場、中埜酒造 国盛酒の文化館見学

6日目は1日、会社訪問を行った。

午前は東邦ガス株式会社の知多緑浜工場を訪問した。最初に東邦ガスが日本の「ものづくり」の中心拠点である中部3県(愛知県、岐阜県、三重県)にガスを供給する会社であり、日本全国にこうした工場施設が200か所あり、知多緑浜工場は東邦ガスの中で最新の最も大きいガス貯蔵施設であることなどの説明があった。

その後、工場のオフィスセンター、およびコントロールルームを見学した。知多緑浜工場で働く職員は60人ほど。コントロールセンターは最先端技術を駆使したハイテク機器によりわずか数人で管理されている説明を受け、最小限の人員で巨大な施設の管理がしっかりと図られていることが、驚きであったようだった。さらに実際に入港し、接岸しつつある洋上に浮かぶ巨大なLNGタンカーも目の当りにした後、地下式LNGタンク施設を見学した。20万Lサイズの巨大な3つのタンクを備え、災害時には30Mの高さの海水膜を立てる装置など、最先端の安全装置が、学生たちは印象的だったようだ。

午後は中埜酒造株式会社の国盛酒の文化館を訪問した。

日本の伝統的な酒蔵の中で酒造りの道具などを見学しながら、その歴史や工程について説明を受けた。また、半田の運河沿いに立ち並ぶ伝統的な古い町並みや、建築物の見学を行った。

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東邦ガスLNG(液化天然瓦斯)実験ラボ

東邦ガス・ガスエネルギー館
東邦ガス・ガスエネルギー館

中埜酒造株式会社・国盛酒の文化館
中埜酒造株式会社・国盛酒の文化館

7日目〔10月3日(水曜日)〕

7日目の午前は工学部の5学科、応用生物学部の3学科によるポスター合同のポスター交流会を行った。ポスター発表者はいずれも大学院生であり、本学学生たちの研究活動の詳細について、活発に質疑応答する様子が見られた。

午後は、成果発表会を行った。特に指示したわけではなく学生たちは自主的に課外時間を利用して、小グループごとのグループワークにより、事前に準備したパワーポイントを使い、発表を開始した。

中には日本語や英語で発表する学生もいて、非常に熱心な発表が多く、このプログラムに真摯に取り組み、積極的に学ぼうという意欲をうかがうことができた。また、全員から研修の感想が聞けたことは大変意義深い。中部大学は基礎研究と応用研究がバランスよく含まれており、実習設備がしっかりと整っていることなど、中国の大学との様々な比較が聞けたのも興味深い。

成果発表会に続いて修了式が行われ、松尾直規中国連携推進部長から参加者一人ひとりに修了証が手渡された。

午後6時から行われた歓送会では、セミナー担当教員や大学院生なども交え、この1週間の思い出や、留学に関する情報交換など、熱心に語り合う様子が最後まで見られた。

ポスターセッション&交流会の様子
ポスターセッション&交流会の様子

成果発表会
成果発表会

修了式
修了式

歓送会の様子
歓送会の様子

8日目78日目〔10月4日(木曜日)〕:帰国

午前9時、バスでホテルを出発し、セントレア空港に向かった。

短い滞在だったが、バスの出発直前まで感謝の意を述べられ、留学の希望を伝えに来る学生も数人いて、1週間の受け入れの手ごたえが感じられた。その後、8日間の多忙な活動の疲れも見せず、元気いっぱい手を振る学生たちを乗せて、バスは空港へ向けて出発した。

バス見送り
バスでセントレアへ

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