中国連携推進プロジェクト

  • ページの本文のみをプリントします。ブラウザの設定で「背景色とイメージを印刷する」設定にしてください。
  • ページ全体をプリントします。ブラウザの設定で「背景色とイメージを印刷する」設定にしてください。

JST「さくらサイエンスプラン」で同済大学浙江学院、宜賓学院から学部学生15人の短期研修を実施

【2018年9月1日】

国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の平成30年度「日本・アジア青少年サイエンス交流事業(さくらサイエンスプラン)」の支援を受けて実施しました。

平成30年度第1回目のさくらサイエンスプランでは、中国・浙江省の同済大学浙江学院、四川省の宜賓学院より自動車、情報、土木、生物を専門とする学生15人、引率教員3人の合計18人を受け入れた。学生15人は大勢の希望者の中から選抜された上位数名の優秀な学生たちであり、同済大学浙江学院および宜賓学院は来日前後にも、中国国内における独自の計4日間の研修もあわせた、夏季研修の一環として来日した。前日には渡日に向けた同済大学浙江学院と宜賓学院との合同による合同セミナーを行うなど、本件を両大学の交流推進にも多いに役立てる様子が伺えた。一行は無事本学に到着し、オリエンテーション会場に向かった。

中部大学到着時の記念写真
1号館前で記念写真

1日目〔7月31日(火曜日)〕:中部大学到着 オリエンテーションと歓迎会

オリエンテーションでは、まず、松尾直規中国連携推進部長・工学部長が歓迎のあいさつを行い、同済大学浙江学院の張先生と陳先生、宜賓学院の崔先生があいさつを行った。続いて工学部の鶴見事務長がプログラム概要を説明し、広報センター事務部の鈴木次長より中部大学の概要を紹介した。また、招聘学生および中部大学関係者が1人ずつ自己紹介を行った。招聘学生は日本語や英語で自己紹介を多内、日本滞在経験がないにもかかわらず日本語流暢な学生もいて中部大学関係者を驚かせていた。

その後、一行は図書館、民族資料博物館、不言実行館、国際交流プラザを見学した。また、伝統和風建築物である「工法庵」「洞雲亭」「爛柯軒」などお茶室を見学した。これらの建築物もすべてが本学工学部の建築学科の教員や学生たちの教育・研究に関わっていることなどが参加者には印象的だった。また建築学科の学生が設計、デザインした4号館のトイレを見学した。学生たちからは「キャンパスがきれいで充実している。」「日本は清潔で、奥が深い。」との感想が口々に聞かれ、朝早い出発だったにも関わらず疲れも見せずに、初めて目にする日本の大学に感銘を受けている様子だった。

午後6時からは歓迎会が行われ、竹内副学長の歓迎あいさつに始まり、セミナー担当の教員や中国出身の留学生らを囲んで和やかな雰囲気の中、日本で始めての食事を楽しんだ。

留学生の中には招へい者と同じ大学の卒業生で過去のさくらサイエンスプラン参加者も複数人いて、熱心に留学の為の情報交換および交流を行う姿が見られた。

オリエンテーションの様子
オリエンテーションの様子

図書館を見学
図書館を見学

歓迎会の様子
歓迎会の様子

2日目〔8月1日(水曜日)〕:工学部と応用生物学部の概要を知る

2日目は午前に工学部、午後は応用生物学部について学んだ。 工学部のセミナーはまず幅上教授より工学部・工学研究科の概要説明が行われ、続いて工学部の全8学科について各学科を代表する教職員から説明を受けた。

午後、引率教員3と各大学の代表学生3名が、石原修学長を表敬訪問した。宜賓学院の環境デザイン工学を専門とする学生より、本人が描いたと言う中部大学の水彩画の贈呈が行われた。

午後の応用生物学部のセミナーでは、長谷川准教授より応用生物学部・応用生物学研究科の概要説明の後、応用生物学部の3学科について、各学科を代表する教職員から説明を受けた。

その後、食品プラント、植物工場、温室など応用生物学部の特徴的な施設設備の見学を行った。

・食品プラント(食品栄養科学科施設、根岸晴夫)
・植物工場(応用生物学部施設、堀部貴紀)
・温室(応用生物化学科施設、長谷川浩一)

応用生物学部セミナーの後は、施設見学として本学を代表する3箇所の研究センターおよび施設を見学した。

「超伝導・持続可能エネルギー研究センター」では超伝導直流送電システムの基礎研究から実用実験に至るまでのプロセスの説明を実際に使われている超伝導ケーブルとそれを使った実験設備を目の前に説明を受けた。
【写真11】超伝導・持続可能エネルギー研究センター実験施設

「国際GISセンター(デジタルアース研究センター)」では、GISを活用したグローバルな情報管理について学んだ。【写真12】デジタルアース研究センター

「スマートグリッドシステム」の紹介では、スマートBEMS(Building Energy Management System)を利用して電力を効率良く利用するシステムの説明を受け、中部大学が推進する「エコ・キャンパス」への多方面からの取り組みを学ぶことができた。また太陽光パネルを見学し、温水プールに活用する取り組に大いに関心を持ったようだった。【写真13】スマートグリッドシステムの説明を受ける


 

工学部セミナーの様子
工学部セミナーの様子

学長表敬の様子
学長表敬の様子

応用生物学セミナー(講義)
応用生物学セミナー(講義)

食品プラントを見学
食品プラントを見学

超伝導<span class=・持続可能エネルギー研究センター実験施設

デジタルアース研究センター
デジタルアース研究センター

スマートグリッドシステムの説明を受ける
スマートグリッドシステムの説明を受ける

3日目〔8月2日(木曜日)〕:中部電力、東邦ガスを見学

3日目は会社訪問を行った。

午前は中部電力総合技術研究所を訪問し、技術開発本部の概要についての説明の後、2班に分かれて実験棟の見学を行った。

コンクリート試験室では石炭灰の有効利用技術の紹介を、浮体式洋上風力の水理模型実験設備では海洋の風や波を実験的に起こし、浮体式の洋上風力発電の開発に関する説明を受けた。

ヒートポンプ試験設備の「ヒーポンらぼイースト」では、大型空調機器、大型製造プロセス用ヒートポンプの研究開発、「ヒーポンらぼウエスト」では、小型空調機器、小型製造プロセス用のヒートポンプの研究開発の説明があった。また系統実験棟では、太陽光発電の出力予測技術等の紹介があった。

午後は東邦ガス株式会社技術開発本部、ガスエネルギー館を訪問した。最初に東邦ガスが日本の「ものづくり」の中心拠点である中部3県(愛知県、岐阜県、三重県)にガスを供給する会社であること、ガス取扱量が日本で3番目に多く、240万件にガスを供給する会社との紹介があった。さらに技術開発本部は、技術企画部、技術研究所、商品開発部からなること、また、それぞれの部門の概要説明を受けた。

その後最先端技術を駆使したスマートエネルギーハウスを見学し、タッチ操作により、各部屋の照明、エアコン、床暖房などを一元管理できるモニタリング設備や、調理の目的に合わせた献立や調理手順をナビゲーションしてサポートするコンシェルジュキッチンの説明を受けた。学生たちは興味深げに質問しながら、熱心に機器、装置を観察していた。

また、水素による燃料電池車の見学と試乗、水素ステーション整備に向けた技術開発の説明を受けた。

ガスエネルギー館においては液体窒素による化学の実験デモンストレーションを見学、また、様々なエコ・省エネに関わるデモンストレーション機器を実際に手で触れながら、興味深く見学した。

日本のエネルギー開発に取り組む代表的な企業2社の最先端の開発の現場を見学し参加者は大いに興味を持ち、刺激を受けた様子だった。

中部電力総合技術研究所・浮体式洋上風力水理模型実験設備
中部電力総合技術研究所・浮体式洋上風力水理模型実験設備

東邦ガスコンシェルジュキッチン
東邦ガスコンシェルジュキッチン

東邦ガス・ガスエネルギー館
東邦ガス・ガスエネルギー館

4日目〔8月3日(金曜日)〕:
機械工学科、電気電子システム工学科、応用生物学部3学科の研修の後、衣浦東部浄化センターを見学

4日目の午前は専門にあわせて2班に分かれ、それぞれ工学部と、応用生物学部において特別セミナーを行った。

工学系を専門とする第1班の学生は、機械工学科、および電気電子システム工学科のセミナーの後、機械工学実習室で旋盤、溶接、放電加工、マシニングセンターなどの設備やそれらを使った実習について説明が行われた。また、分析計測センターでは、電子顕微鏡や核磁気共鳴装置など高度な分析や計測ができる設備が整っている。これらの設備について説明があり、実際にその装置を目の当たりにした。
 環境、生物を専門とする第2班の学生は、応用生物学部3学科を代表する各研究室を訪問した。
・金政真研究室(環境生物科学科、応用微生物学)
  ・墨泰孝研究室(応用生物化学科、微生物環境浄化)
・長谷川浩一研究室(環境生物科学科、寄生虫・害虫学)
・武井史郎研究室(環境生物科学科、魚類学)
・香西はな研究室(食品栄養科学科 食品栄養管理学)
・田中守研究室(食品栄養科学科 基礎栄養学)

午後は衣浦東部浄化センターを訪問し、概要説明のセミナーの後、下水処理設備の見学と、下水処理する過程から発生した汚泥を乾燥・炭化することで燃料化物(炭化物)として再生する装置などを見学した。

金政研究室(環境生物科学科)
金政研究室(環境生物科学科)

香西はな研究室(食品栄養科学科 食品栄養管理学)
香西はな研究室(食品栄養科学科 食品栄養管理学)

衣浦東部浄化センター見学衣浦東部浄化センター見学

衣浦東部浄化センター見学

5日目〔8月4日(土曜日)〕:
都市建設工学科、建築学科、応用化学科、情報工学科、ロボット理工学科の特別セミナー

5日目は、工学部の5学科についてより深く学んだ。

都市建設工学科セミナーでは、学科の研究領域に関する説明の後、材料構造実験施設を見学した。さらに居室の環境を分析・計測できる建築環境実験室を見学した。

引き続き行われた建築学科セミナーでは、学科の説明の後、製図室を見学した。CADなどコンピュータを利用した製図も行うが、その基本として製図板を使い、自らの手で製図する教育を重視している。次に訪れた建築資料制作室では、源氏物語の住まいを緻密に再現した模型が展示されており、建築学の領域の広さを感じ取ることができた。

午後は、情報工学科では岩堀教授の研究室を訪問した。ロボット理工学科では、ヒト型ロボットや被災地での活動を見据えて開発中のロボットなどを体験し、さらにロボットによるサッカーの取り組みについて紹介があった。

午後は応用化学科を訪問し、二宮善彦教授より学科の特長の説明があり、その後、招聘学生の先輩にあたる留学生数人から、実際の留学生活や、研究活動について発表を行った。

ロボット理工学科セミナールーム
ロボット理工学科セミナールーム

6日目〔8月5日(日曜日)〕:トヨタ産業技術記念館の見学と名古屋市内視察

6日目の午前はトヨタ産業技術記念館の見学を行った。自動車のイメージが強いトヨタではあるが、その創立は織機からであったことは印象深かったようだ。自動車生産の歴史についても深く学ぶことができた。

午後は先輩の留学生とともに名古屋市内視察へと移った。

トヨタ産業技術記念館
トヨタ産業技術記念館

7日目〔8月6日(月曜日)〕:オープンキャンパス見学と成果発表会・修了式

7日目は、毎年行われる「夏のオープンキャンパス」の初日にあたり、午前中、各自興味・関心のある研究室を回ったり、キャンパス内各施設を自由に見学した。

他学部での日本文化体験などを通して、異文化交流のひと時にもなったようだ。

午後は、成果発表会を行った。

特に指示したわけではなく学生たちは自主的に課外時間を利用して、小グループごとのグループワークにより、事前に準備したパワーポイントを使い、発表を開始した。

中には日本語や英語で発表する学生もいて、熱心な発表が多く、このプログラムに真摯に取り組み、積極的に学ぼうという意欲をうかがうことができた。また、全員から研修の感想が聞けたことは意義深い。中部大学は基礎研究と応用研究がバランスよく含まれていることなど、中国の大学との様々な比較が聞けたのも興味深い。

成果発表会に続いて修了式が行われ、松尾直規中国連携推進部長から参加者一人ひとりに修了証が手渡された。

午後6時から行われた歓送会では、セミナー担当教員や大学院生なども交え、この1週間の思い出や、留学に関する情報交換など、熱心に語り合う様子が最後まで見られた。

オープンキャンパス(生命健康科学部)
オープンキャンパス(生命健康科学部)

オープンキャンパス(人文学部で日本文化体験)
オープンキャンパス(人文学部で日本文化体験)

成果発表会
成果発表会

修了式
修了式

歓送会
歓送会

8日目〔8月7日(火曜日)〕:帰国

午前9時、バスでホテルを出発し、セントレア空港に向かった。

短い滞在だったが、バスの出発直前までかわるがわる感謝の意を述べられるとともに、留学の意志を伝えに来る学生も数人いて、1週間の受け入れの手ごたえが感じられた。その後、8日間の多忙な活動の疲れも見せず、元気いっぱい手を振る学生たちを乗せて、バスは空港へ向けて出発した。

バスでセントレアへ
バスでセントレアへ

ページの先頭へ