中国連携推進プロジェクト

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「日中大学フェア&フォーラム in イノベーションジャパン 2016」に参加しました

【2016年8月25日、26日】

開催日:2016年8月25日(木曜日)、26日(金曜日)
場所:東京ビッグサイト西ホール(東京都江東区有明3-11-1)
主催:文部科学省  共催:国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)
テーマ:高等教育と研究開発の両立によるイノベーション創出 

1. 日本の各大学における産学連携に対する取組の紹介

(1) 背景

 産学連携活動において組織的対組織の活動が求められる中、あらためて共同研究の充実が必要となっている。運営交付金の減少に伴う一方、大学での産学連携を含む経費が増大しており、企業等からの経費の増大が喫緊の課題となっている。また、各大学に配置されているURAは、これまで文部科学省の予算でまかなわれているが、時限であるため、各大学自身がまかなうことが求められている。

大学に求められる姿
 ・「組織」対「組織」による共同研究(従来の共同研究は残しつつ)
 ・成果へのコミットメント
 ・プロジェクト提案力の涵養、プランニング・スケジュール管理の徹底
 ・学内の契約支援や経理・財務体制の強化
 ・学内における産学連携活動の位置づけの向上
 ・「費用の見える化」(経費の必要性と算定の根拠の透明化・明確化)
 ・共同研究における間接経費の考え方の明確化

(2) 各大学の活動紹介

① 名古屋大学

  新たに[指定共同研究制度]を創設、従来の共同研究は継続させるが、将来の産業構造の変革を見通した革新的技術の創出に向けて、将来のあるべき社会像等のビジョンを共有し、共同して行う研究。(学術産連本部を含む横断的な体制により研究の企画・立案、成果の管理・活用等を実施)

・名大の指定共同研究制度は、共同研究テーマそのものから大学と企業が議論し決めていこうとするものであり、(結果として部局横断的なものになるという意味では)、包括的共同研究であり、東大のプロプリウスと類似している。共同研究を適切に推進するため、研究マネジメントが重要となることから推進協議会を設置し、大学側からは学術産連本部長、部局長等が構成員として加わることになっている。

・名大の指定共同制度では、組織対組織の連携を強めており、これを担保するために費用面で、次のような特徴がある。
 間接経費相当である産学連携推進経費は、従来直接経費の一定率(10%)とするのではなく、研究に関与する研究者やこれを支援する者(事務、URA等)の人件費をアワー・レート方式にもとづいて算定し積算のうえ、決定する。
背景:従来の共同研究では、間接経費が一定であるため、教員や共同研究を支援する関係者(URA等)については、大学自身が持ち出しをして実行してき た。今後、組織対組織のような大型共同研究が推進されていくと、益々大学の財務況は困難となる。このような事態を打破し、財務的にも健全な基盤を整備していく必要がある。

② 東北大学

・大型の産学連携に適用する学内施策を検討
 戦略的産共創拠点の設置
 社会像の実現に向けて、大学の深いコミットメントを持った産学連携
 産学連携特区制度:学際研究重点拠点や橋渡し拠点などにもとづき企画された戦略産学共同拠点について、拠点特有のインセンティブ・メニューなどを通じて、産学連携マネジメントの機能を整備する。
・全学的な取り組みとして推進する特定領域には、社会へのインパクトがるあるものと、学術的インパクトがあるもの(東北大学として得意な研究領域)に分けて設定する。

③ 北海道大学

・北大が目指す産学協働:大学群-企業群+(官民資金)型大型協働研究
 課題提案型コンソーシアム(例:食と健康、北極域研究)
・イノベーション戦略テーマには、ボトムアップ型研究(例:パンデミックインフルエンザ研究、がん先進医療研究、スマートロボットによるICT農業研究等)とトップダウン型の両者がある。
・産学協働拠点を北キャンパスエリアに集結
 企業:日立北大ラボ、塩野義製薬インキュベーションセンター、日東電工北海道研究所、産総研、北海道公設研究試験所
・COIプロジェクト「食と健康の達人」については、岩見沢市と連携し、活動前と活動後の相違が見えるように推進中。

④ 東京工業大学

・現在、大学全体の組織を全く変えて推進中。従来の学部と大学院を一体とした「学院」をすべての分野について設置。また、部局に所属しない研究ユニット、研究所・研究センターも設置。
・新たな産学連携推進プラットフォームとして推進する内容に、従来の大型研究とは別に、企業から教材・機材の提供をしてもらい、企業からの特定教員にも加わってもらい、東工大の学生に講義や研究指導にも参加してもらうことを予定している。具体的には、2016年度より新規開設し、野村総研と東工大サイバーセキュリティ教育・研究共創プログラムである。(サイバーセキュリティは重要なテーマであるが、大学では充分に対応できない。)
・協創的ものづくり環境の構築の例として、東京都大田区企業群と連携をとっている。
 東工大はデザイン工房、技術シーズの提供、大田区は加工製造技術、羽田空港はユーザーの立場であり、あずさ監査法人は事業化戦略を担う。

 現在、規程類を整備中で来年度から開始する予定。

 

2.中国の大学による展示

 JSTフェア2016のほぼ真ん中の位置に、JST国際事業展示スペースがあり、この中に中国の大学の展示ブースが配置されていた。有力な大学によるシーズ展示であるが、事前の周知活動が充分でなかったせいか、見学している人が少ななかった。

 

3.中部大学の展示(イノベーションジャパン2016、大学見本市で)

工学部応用化学科 山田直臣教授が「透明な半導体開発:目に見えない回路を目指して」
工学部情報工学科 常川光一教授が「気持ちを理解し、対話するコンシェルジェHEMS」

 

4.今回の産学連携のキーワード:

・骨太の産学連携
・組織対組織の共同研究
・共同研究⇒(ソリューション解決) 共創、協創
共同研究に関与する人件費を共同研究費用に含める(含める方法には、直接経費に入れるのか間接経費に入れるかなどいろいろあり うる。)

5.印象・感想

・日中大学フェア参加を期待してJSTフェア2016に参加したが、日本の大学の産学連携に対する取り組みの紹介や説明が活発にあった。
・共同研究のありかたを見直しをしていく中で、国際的共同研究も推進していくとの説明が、東工大からあった。東工大は、世界の大学のうち研究分野でトップ10をめざしており、そのためには学内の横の壁をなくすことを組織的に積極的に推進している。
・大阪大学の積極的な参加(人数が多い、法被を着ているので目立つ)(PS:米国軍から300万円の寄付金を受領しているとの報道があった。)

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