苅田研究室

 超音速流れ

マッハ2の超音速風洞を使い、ロケットエンジン出口からでる燃焼ガスの様子を学生実験で観察しています。

エンジン出口での圧力と周りの圧力との大小の違いで、ノズルを出る超音速燃焼ガスの流れ方が変わります。地上に比べ、上空では圧力が低いことに対応しています。

       

超音速タービンの研究も行っています。

ロケットエンジンでは燃料や液体酸素のポンプをタービンで駆動しています。超音速で駆動するタービンも使います。学生実験では、この超音速タービンの翼周りの流れを計測し、動力を計算しています。卒業論文としても研究しています。実験に対応した数値シミュレーションも行っています。

       

よく知られている現象が、タービンの性能を変えていたようです。今、3年間の結果をまとめています。

 

休み時間には飛行機やスペースシャトル、みんなのヒーローもマッハ2で飛んでいます。    

    

                           

2年生が3次元CADで設計した模型を3Dプリンターで作製しました。どれも元気に飛んでいます。

 

 

 ロケットエンジン

ロケットエンジン高周波振動燃焼

ロケットエンジン燃焼器では、数キロヘルツの圧力振動を発生し、溶けて壊れてしまうことがあります。原因について仮説をたて、実験で検証を進めています。燃焼実験で、約2倍の圧力上昇を再現することに成功しました。燃焼実験の結果が、Acta Astronauticaに掲載されました。(2019年)

2020年は、10倍以上の圧力上昇を観察しました。これだとすぐにエンジンが溶けてしまいますね。

エアロスパイクノズルの燃焼実験

エアロスパイクノズルという、ちょっと変わったロケットエンジンのノズルがあります。教科書にも出ています。このエンジン模型を作って燃焼実験をやってみました。4年生の横尾君が作りました。真ん中に突き出ているのがエアロスパイクノズルです。燃焼試験後で炎にあぶられ、色が変わっています。

 

 基礎研究

層流-乱流遷移の研究

空気や水の流れは低速では層流というきれいな流れですが、高速になると乱流という小さな渦を含む流れに変化します。層流か乱流かによって抵抗や熱伝達量が大きく変わります。100年以上も研究が続けられていますが、変化がおきるメカニズムはよくわかっていませんでした。このメカニズムについて仮説をたて実験で検証を行っています。また実験では新たな発見もありました。教科書どおりには行かないようです。

和田さんと服部君(4年生)が、第56回日本航空宇宙学会関西・中部支部合同秋期大会で、「円管流れの乱流遷移についての研究」の発表を行い、中部支部賞を受賞しました。(2019年)

今年から境界層の遷移の実験を始めました。境界層とは、物体の表面の流れのことです。この部分の性質で摩擦や加熱・冷却の様子が全く変わります。これまでの遷移予測法とは全く異なった、物理の基本に立ち返った予測法を提案し、マッハ数や壁温、先端の尖り具合など、いろいろな要因を表せることを確認しています。(Trans. Japan Soc. Aero. Space Sci., 2011)

今度は遷移をコントロールすることに挑戦します!

 

 その他にも将来型ロケットやエンジンの性能計算など、いろいろなテーマに取り組んでいます。

最近はPDエアロスペースさん(碧南市)との共同研究で、デトネーションエンジンの性能計算も行っています。

 

ロケット小話(1)

ロケットエンジンでは、液体水素などの燃料でエンジンを冷やす再生冷却という仕組みを使っています。もともとは3000度の燃焼ガスでエンジンが溶けないようにする仕組みですが、ノズルスカートを再生冷却すると僅かですが推力が増え性能が上がります。超音速で燃焼させるスクラムジェットでも起こる現象です。ですが燃焼室を再生冷却しても性能は上がりません。亜音速で燃焼させるラムジェットでも性能は上がりません。超音速のガスを冷やすときにだけ発生する現象です。知ってましたか?

ロケット小話(2)

ロケットと飛行機を合体させ、空気中では翼の揚力とジェットエンジンで飛行し、沢山の荷物や人を運べるように考えられたのがスペースプレーンです。上にあるようなイメージです。エンジンもジェットエンジンとロケットエンジンをふたつ使う方法と、ジェットエンジンとロケットエンジンを合体させた複合サイクルエンジンを使う方法があります。飛行速度やエンジンの作動状態が変わっても、飛行安定性が保たれるように機体の形やエンジンの形、配置などを研究しています。

 

ロケット小話(3)

小話(1)で紹介したように、大抵の液体ロケットエンジンは燃料で燃焼器を冷やします。燃料が冷却流路を流れるうちに、冷却能力が急に下がることがあります。燃焼器が溶けて壊れてしまいます。長年、原因不明でした。冷却流路を流れる燃料の再層流化が原因ではないかという仮説を立て、現在、検証を進めています。

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