2015年 開催記録
2015年10月10日
本日、第1回の講座を開催いたしました。受講生の皆さんは、最初は緊張した様子でしたが、すぐに講義室の場に慣れたご様子で、とても集中して講義を聴いておられました。うなずきながら、またメモを取りながら大変熱心に講義を受けられていました。
在宅ケア・コンセプト概論I
在宅看護の特徴と訪問看護の実践に必要な基礎知識に関する講義でした。具体的には、2025年問題をふまえた在宅看護の必然性、地域包括ケアシステムの整備、訪問看護に関する法律、在宅看護の特徴などです。また、訪問看護師のモラルや、権利制度と成年後見制度にも言及しました。
在宅ケア・コンセプト概論II
在宅看護に関連する制度と社会資源に関する講義でした。医療保険、介護保険の制度に基づく訪問看護のしくみ、訪問看護の役割についてなどです。さらに、物的人的諸要素を含む社会資源や、訪問看護師の役割について具体的な事例を用いた内容でした。
2015年11月14日
本日、第2回の講座を開催いたしました。本日は第2回目とあって受講生の皆さんもだいぶ慣れてきたご様子でした。2回目は講義と演習でした。午前中の講義では、講師が具体的に体を動かしながら説明し、それを見ながら受講生さんも体を動かし、メモを取り、話に聞き入っていました。午後の演習では、二人一組になって、講師の指導のもと、トランスファーの練習をしました。トランスファーのプロのコツを、何度も練習をしました。講師は各グループの実技を見て、具体的なアドバイスをくださり、とても丁寧に指導をしてくださいました。
在宅リハビリテーション概論
今回は理学療法士の先生による講義でした。内容は、リハビリテーションにおいて大切な概念であるICFや、在宅医療の役割、他職種連携の重要性についてなどです。正しい立ち方や臀部の筋力トレーニングなどについても言及され、受講生全員で実施しました。
在宅移動技術
「在宅リハビリテーション概論」をふまえて、移乗の基本的な動作の演習を行いました。二人一組になり、講師にアドバイスをいただきながら何度も練習をしま した。講師は看護師の身体の作り方・使い方にも言及され、皆でそのトレーニング方法を実践しました。また移乗に便利な福祉用具を実際に使用して、その感覚 を体で確認しました。
2015年12月12日
在宅における医療処置概論
医療的ケアとは何か、医療処置のある人への支援・教育のポイント等についての概論をふまえ、「一時吸引」「食事支援」「輸液療法」の演習を行いました。それぞれ概要や手技のポイントなどについて講義を受けた後、実際に物品を使用して演習を行いました。初めは「できるかしら?」と不安だった受講生さんも、物品を手に取り、装着すると、体に染みついた感覚がよみがえってきて、とてもうまく演習を行っていました。さすが!といった感じでした。やはり一度習ったこと、体験したことは、皮膚感覚で残っているのだなと思いました。
一時吸引
吸引モデル人形を使用し、カテーテルが気管のどのあたりまで挿入されるのか等、実際に確認しながら体験しました。
食事支援
経管栄養法の基本的な知識を講義で聞いた後、胃ろう人形モデルを使用したデモンストレーションを見学しました。その後、胃ろうカテーテルや半固形栄養剤の注入をサポートする用具などを見たり触ったりして確認しました。
輸液療法
輸液の種類と適応、在宅中心静脈栄養法、合併症等について講義を聞いた後、演習を行いました。生理食塩水100mlに輸液セットを装着し、翼状針を静脈注射パッドに穿刺し、輸液を落とす演習を行いました。また、ポートにヒューバー針を刺したりもしました。
2016年1月9日
本日は講座の最終日でした。午前中は在宅人工呼吸療法についての講義と演習、午後は訪問看護師テーションで実際に働く看護師をお招きし、茶話会を行いました。茶話会終了後、受講生には本講座の修了証が手渡されました。
在宅人工呼吸療法
在宅の現場に赴いている Philips Respironics様による講義でした。その内容は、在宅人工呼吸療法を受ける利用者の特徴、必要な手技、在宅酸素療法を取り巻く環境など、在宅酸素療法の概要などでした。その後実際に、2種類の人工呼吸器を使って使用方法の説明を受け、注意事項や管理方法などを学びました。また、人工呼吸療法の際に使用するマスクを装着して、体験したりしました。在宅人工呼吸療法で使用する機械や物品を実際に見て触ることができ、とてもイメージしやすい、わかりやすい授業でした。
装着するとこのような感じです。
茶話会
4か所の訪問看護ステーションから訪問看護師を招き、実際にどうやって現場で働いているのかをうかがいました。訪問看護師のみなさんそれぞれが、今までの経歴をふまえ、なぜ在宅の現場で働くようになったのか、訪問看護の実際などについて、とても生き生きとお話くださり、皆その話に引き込まれました。受講生からは残業のこと、入浴介助の方法など、さまざまな質問が飛び出し、意見交換をすることができました。
講座が終了したあとで。
みなさんお疲れさまでした。