中部大学の研究活動

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深海の圧力で筋原線維の構造と機能の変化を解明 (新谷正嶺助教)

【2021年4月16日】

プレスリリース

研究成果のポイント

  • 均一に作用する静水圧を利用したユニークな筋原線維の構造制御方法を開発
  • 加圧処理をした筋原線維でも自励的収縮振動が生じること及びその性質を発見
  • 加圧処理筋原線維の活用による筋生理学・医学の発展に期待

概要

中部大学 生命健康科学部 生命医科学科の新谷正嶺助教別サイトにリンクしますは、深海4千から8千メートル相当の静水圧(40~80MPa。1MPaは約10気圧)でタンパク質の水和状態を変化させることによって、筋原線維の構造と機能をどのような変化させられるのかを明らかにした。実験には日本白ウサギの腸腰筋から取り出した筋原線維を用いた。

40~80MPaの静水圧を加えた状態で光学顕微鏡を用いて観察を行う高圧力顕微鏡法を利用し、加圧中の筋原線維の構造変化や、加圧中や加圧処理後の筋原線維の自励的収縮振動(*1)の性質を明らかにした。40~80MPaの静水圧はタンパク質表面の水和状態を可逆的に変化させ、タンパク質同士の結合を弱めることで脱重合などの構造変化を促せる。本研究では、溶液中にアデノシン三リン酸(ATP)があるか無いかで、筋原線維内のミオシン等のタンパク質構造が変化し、促される構造変化が変容することに注目し、掛ける圧力の強さと時間に応じた筋原線維の構造制御方法を解明した(図1)。さらに筋節が収縮と弛緩を繰り返す自励的収縮振動現象を惹起して解析することで、加圧処理筋原線維の機能の変化や、高い静水圧下の筋原線維の構造と機能の変化を明らかにした。今回は日本白ウサギの筋原線維を用いたが、人などすべての生物でも同様の挙動を示すと考えられる。

なお今回の実験に用いた圧力は燃料電池自動車に搭載する高圧水素ボンベ内(35MPaまたは70MPa)レベルに相当する。研究分野は異なるが、超高圧が生物の性質を変えることを示した新たな成果と言える。

本研究は日本学術振興会科学研究費などの助成を受けて実施した。研究成果は4月16日、日本生物物理学会の欧文科学誌Biophysics and Physicobiology(電子版)に掲載されました。

高圧力顕微鏡法と高圧力による筋原線維の構造と機能の変化の模式図

図1 高圧力顕微鏡法と高圧力による筋原線維の構造と機能の変化の模式図

用語解説

*1 自励的収縮振動

伸縮する細胞の最小単位を「筋節(サルコメア)」と呼ぶ。筋節は2種類のたんぱく質であるミオシンとアクチンそれぞれが集合した線維(フィラメント)が交互に積み重なった構造をしており、アコーデオンのように動く。この動きを筋節振動と呼ぶ。外力やカルシウム濃度変化などの振動が無いにも関わらず、筋節が自ら収縮と弛緩を繰り返す振動状態になるとき、この振動を自励的収縮振動と呼ぶ。

本学の問い合わせ先

研究に関すること
新谷正嶺助教(生命医科学科)
Eメール:shintani[at]isc.chubu.ac.jp ※アドレスの[at]は@に変更してください。
電話:0568-51-9180(直通)

報道に関すること
中部大学 学園広報部広報課
Eメール:cuinfo[at]office.chubu.ac.jp ※アドレスの[at]は@に変更してください。
電話:0568-51-7638(直通)

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