中部大学の研究活動

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ゴキブリの成長阻害遺伝子を発見 ─新タイプの殺虫剤開発に期待─ (長谷川浩一准教授、宮田恵多助手ら)

【2018年1月16日】

プレスリリース

研究成果のポイント

  • RNA干渉実験でゴキブリの脱皮を阻害する遺伝子を発見した
  • 脱皮を止めることで死滅させる可能性を示した
  • ゴキブリだけを狙って殺虫効果を発揮させる手法である

発表概要

 中部大学応用生物学部の長谷川浩一准教授別サイトにリンクしますと生命健康科学部の宮田恵多助手別サイトにリンクしますらは佐賀大学大学院生の佐藤一輝氏(現理化学研究所環境資源科学研究センター特別研究員)と共同で、ゴキブリの遺伝情報を解析することで、脱皮に影響を及ぼす遺伝子を発見。この遺伝子から作られるメッセンジャーRNA(*1)と対になって2本鎖を形成する相補的RNAを体の一部に注射すると、全身のメッセンジャーRNAの働きを阻害し、脱皮不全により死んでしまうことを確認した。
 世界には約4500種類のゴキブリが生息する。今回の研究には国内に最も多いクロゴキブリを用いた。このゴキブリは10回ほどの脱皮を行って成虫になる。研究チームはRNA干渉(*2)と呼ぶ実験手法を用いて、DNA(デオキシリボ核酸)(*3)が持つ様々な遺伝情報を受け継いでたんぱく質形成をつかさどる各種メッセンジャーRNAの働きを詳しく調べた。その結果、ある種の相補的RNAは体の一部に注射するだけで全身に浸透してメッセンジャーRNAと対を作って働きを止め、脱皮できずに死んでしまうことがわかった。今回の成果は2017年12月29日、米大手学術出版社ジョン・ワイリー・アンド・サンの専門誌インセクト・サイエンス(電子版)に発表した。
 現在、注射の代わりに経口で相補的RNAを摂取させ、同様の効果があるかを確認する実験を進めている。効果が得られれば、他の生き物に害がなく狙ったゴキブリだけを退治できる、安心安全な新薬開発につながると期待している。

用語解説

*1 メッセンジャーRNA

リボ核酸の英語名の略称。4種類の塩基であるアデニン (A)、グアニン (G)、シトシン (C)、ウラシル (U)がつながった1本の鎖状をしている生体物質。後述のDNAから遺伝情報をコピーし、体内でたんぱく質の合成を進める。

*2 RNA干渉

RNAiとも呼ぶ。メッセンジャーRNAと並列につながって2本鎖を形成する性質の相補的RNAを使い、RNAの働きを調べる実験手法。相補的RNAを体内に注入するとメッセンジャーRNAとつながって働きを止める。そのメッセンジャーRNAがどのようなたんぱく質を合成する働きがあるかがわかる。大腸菌などを使って対の状態で培養する。この方法を発明した米スタンフォード大のアンドリュー・Z・ファイア教授とマサチューセッツ大のクレッグ・C・メロー教授は2006年にノーベル医学・生理学賞を受賞した。

*3 DNA

デオキシリボ核酸の英語名の略称。細胞核の中にあり、4種類の塩基であるアデニン (A)、グアニン (G)、シトシン (C)、チミン (T)がつながった鎖が2本並列につながったらせん状の生体物質。AとT、GとCがそれぞれ水素結合でつながっている。配列の部分が遺伝情報を持ち、各部分の配列をコピーしたメッセンジャーRNAがたんぱく質を合成する。

問い合わせ先

長谷川浩一 (応用生物学部環境生物科学科准教授)
電子メール:koichihasegawa[at]isc.chubu.ac.jp ※アドレスの[at]は@に変更してください。
電話:0568-51-9864(直通)

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