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第32回理学談話会「行列による場の理論のモデル化、及び行列繰り込み群の定式化について」

【2016年5月18日15時20分〜16時50分】

 

日時 2016年5月18日(水曜日) 午後3時20分 〜 4時50分
場所 9号館2階 923講義室
話題提供
富野弾 氏(株式会社シンクリP.A)
  Center for Polymer Studies and Department of Physics, Boston University, Boston, Massachusetts 02215 USA
  Departamento de Fsica, Instituto Federal de Educac~ao, Ci^encia e Tecnologia do Maranh~ao, 65030-005 S~ao Lus, MA, Brazil
  Center for Polymer Studies and Department of Physics, Boston University, Boston, Massachusetts 02215 USA
  Departamento de Fsica, Instituto Federal de Educac~ao, Ci^encia e Tecnologia do Maranh~ao, 65030-005 S~ao Lus, MA, Brazil
  Center for Polymer Studies and Department of Physics, Boston University, Boston, Massachusetts 02215 USA
  Departamento de Fsica, Instituto Federal de Educac~ao, Ci^encia e Tecnologia do Maranh~ao, 65030-005 S~ao Lus, MA, Brazil
  Center for Polymer Studies and Department of Physics, Boston University, Boston, Massachusetts 02215 USA
  Departamento de Fsica, Instituto Federal de Educac~ao, Ci^encia e Tecnologia do Maranh~ao, 65030-005 S~ao Lus, MA, Brazil
概要
Extended Standard Model in Multi-Spinor Field Formalism
                    -- Bright World versus Dark World --
 
多重スピノール場の形式による標準模型の拡張
―― 明世界と暗世界 ――
 
LHC実験によって、ヒッグス粒子の存在が確認された。これにより、素粒子の
標準模型は、自然界の一部分を記述する理論形式として確立されたと考えられる。
しかし、この形式は宇宙を構成する主成分である暗黒物質の存在を説明すること
ができない。また、標準模型は、通常の物質の構成要素である基本フェルミオン
が“三つの家族”を構成することを仮定するが、その根拠を明らかにすることが
できない。今回のセミナーでは、標準模型が抱えるこれらの限界を越える試みと
して提唱された“多重スピノール場の理論”を詳しく紹介する。この理論は基本
フェルミオンとして、通常の“三つの家族”と共に、暗黒物質の主要な構成要素
となる“もう一つの付加的な家族”を含んでいる。暗黒物質と同定される基本的
フェルミオンの特性と観測方法を説明し、素粒子物理と宇宙物理の融合を論じる。
 
                              曽我見郁夫講演要旨:

 場の量子論においては、場の持つ無限大の自由度の取り扱いが常に重要なトピックとなる。よく知られている例は、散乱行列の摂動計算に生ずる発散であり、物理的に意味のある結果を得るためには、何らかの方法で発散量を有限化しなければならない。

 本講演では、従来の摂動論や格子ゲージ理論によって行われてきた有限化とは異なる、行列を利用した場の自由度の有限化について紹介する。この方法では自由度のカットが自然に実現されており、対称性等を途中で壊さないという良い性質がある。更にこのような行列によって定義された微視的模型から巨視的な有効理論を得る手法を、新たな行列繰り込み群として定式化したのでこれを紹介する。最後に重力や弦理論との関係にもコメントする。


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