第30回理学談話会「任意の基点ベクトルにもとづく コヒーレント状態とその径路積分 ---系の対称性と量子状態の制限」
【2016年2月15日15時10分〜16時10分】
日時 | 2016年2月15日(月曜日) 午後3時10分 〜 4時10分 |
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場所 | 9号館2階 923講義室 |
話題提供 |
松本 雅生先生(中部大学非常勤講師)
Center for Polymer Studies and Department of Physics, Boston University, Boston, Massachusetts 02215 USA
Departamento de Fsica, Instituto Federal de Educac~ao, Ci^encia e Tecnologia do Maranh~ao, 65030-005 S~ao Lus, MA, Brazil
Center for Polymer Studies and Department of Physics, Boston University, Boston, Massachusetts 02215 USA
Departamento de Fsica, Instituto Federal de Educac~ao, Ci^encia e Tecnologia do Maranh~ao, 65030-005 S~ao Lus, MA, Brazil
Center for Polymer Studies and Department of Physics, Boston University, Boston, Massachusetts 02215 USA
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Departamento de Fsica, Instituto Federal de Educac~ao, Ci^encia e Tecnologia do Maranh~ao, 65030-005 S~ao Lus, MA, Brazil
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概要 |
Extended Standard Model in Multi-Spinor Field Formalism
-- Bright World versus Dark World --
多重スピノール場の形式による標準模型の拡張
―― 明世界と暗世界 ――
LHC実験によって、ヒッグス粒子の存在が確認された。これにより、素粒子の
標準模型は、自然界の一部分を記述する理論形式として確立されたと考えられる。
しかし、この形式は宇宙を構成する主成分である暗黒物質の存在を説明すること
ができない。また、標準模型は、通常の物質の構成要素である基本フェルミオン
が“三つの家族”を構成することを仮定するが、その根拠を明らかにすることが
できない。今回のセミナーでは、標準模型が抱えるこれらの限界を越える試みと
して提唱された“多重スピノール場の理論”を詳しく紹介する。この理論は基本
フェルミオンとして、通常の“三つの家族”と共に、暗黒物質の主要な構成要素
となる“もう一つの付加的な家族”を含んでいる。暗黒物質と同定される基本的
フェルミオンの特性と観測方法を説明し、素粒子物理と宇宙物理の融合を論じる。
曽我見郁夫講演要旨:
Schroedinger--Glauberの正準コヒーレント状態を拡張したPerelomov流の一般化されたコヒーレント状態は、基点となる状態ベクトル(基点ベクトル、fiducial vector)に(Lie群の)ユニタリー演算子が作用することによってできあがる。ここでは通常の基点ベクトルではなく、任意の基点ベクトルを採る。とくに、スピン(SU(2))コヒーレント状態をかんがえる。その場合、状態は三つのオイラー角の完全な組によって指定され、スピン演算子の第3成分の固有状態を回転した状態の任意の重ね合わせになる。この状態の動力学的発展に対して、Klauder, Kuratsuji--Suzuki の結果を拡張した径路積分表示が得られる。得られたLagrangianは、通常の磁気単極子型の項(を拡張したもの)と付加項、Hamiltonianに起因する項からなる。Lagrangianと量子状態の間の対応関係は、系のHamiltonianと基点ベクトルの双方に依る。LagrangianにEuler角のひとつにかんする対称性のあるとき、その対称性を量子状態に反映させるために補助条件を課す。この場合、許される状態はスピン演算子の第3成分の固有状態を基点ベクトルとして、これをを回転した状態に限られる。その結果、Lagrangian中の磁気単極子型の項の係数にかんして、Dirac条件が得られることがわかる。
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