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人文学部 共通教育科 玉田敦子先生

【2015年12月1日】

玉田敦子先生

プロフィール

玉田敦子(タマダ アツコ)先生。一橋大学 社会学部卒業。慶応義塾大学大学院 文学研究科 修士課程を修了し、同博士課程在籍中にフランスの大学院へ進学。パリ第4大学ソルボンヌ校大学院 文学研究科 博士課程修了。その後、本学の中部高等学術研究所研究員となり、2009年より本学教員に。現在、人文学部共通教育科准教授。

三重県四日市市出身。生後3カ月から18歳まで名古屋市で育つ。フランスには、年2回ほど滞在する。ジムに定期的に通い、体力作りも欠かさない。

玉田先生を Close Up!

フランスでの留学経験から

玉田敦子先生

「大学2年の時に奨学金をもらって初めてフランスに語学留学し、パリ滞在の数週間の間にひとりで美術館や史跡をひたすら観て歩いた時間が、人生について考え直す機会になりました。日本の美術館・博物館では一般に常設展示よりも企画展が中心で、美術館をふらりとと訪れた時に、必ずしも収蔵されている作品を観ることができません。しかし、フランスでは作品がそこにある限り、何度でも同じ作品と再会することができます。実はフランスは、ナポレオンがルーブル美術館を設立して以降、芸術作品を国家の威信を顕示する手段として利用しているのですが、私は語学留学以来、こうした芸術作品の政治的役割について強い関心を持つようになりました。日本では、単なる個人的な娯楽と見なされる傾向が高いですが、芸術や文化には相応の社会的な役割があるはずです」

研究を志したきっかけ

フランスの国立図書館

フランスの国立図書館にて

「語学留学以来、研究者になって、芸術や文化、文学の社会的有用性について考察し、日本社会における芸術や文化の地位を変えていきたいと考えるようになりました。とはいえ、この壮大過ぎる夢を実現するために何に着手すれば良いのか見当が付かず、しばらく悩み苦しむ時期が続きました。そんな中、学部のゼミの先生が、私が書いたものを読んで、授けてくださったのが現在の研究テーマです。大学院入学後7年間ソルボンヌに留学し、『文学作品』が教育と国家の顕揚において果たす役割について博士論文を書きました。留学中は毎日国立図書館に通いつめましたが、そこで出会った同世代の仲間たちに支えられました

先生の研究内容 「18世紀フランスの修辞学」

 国際学会

国際学会で発表をする玉田先生

「18世紀フランスの修辞学について研究をしています。修辞学とは、分かりやすくいえば『文章を書く技術』のことです。18世紀フランスの修辞学は、良い文章を書くためには、たくさん良い作品を鑑賞し、作品の良し悪しが判断できるようになる必要があるとしています。作品の良し悪しが判断できると、自分の書いた文章が良いか悪いかも判断できるようになるからです。18世紀にはフランス語はヨーロッパの共通語になりましたが、そこにも『フランス語には素晴らしい古典文学作品がある』として、フランス語が推されたという政治的な背景があります。私は、これまでこの18世紀フランス修辞学理論について研究をしてきましたが、最近は、18世紀フランスにおけるジェンダーの問題、ルソーやモンテスキューといった大思想家が女性を社会から排除していく過程、修辞学理論が『男性的な文体』を推奨していくようになった過程について考察しています」

授業で習得してほしいこと

 サイエンスカフェ

講師を務めた本学の公開講座「サイエンスカフェ」の様子

「大学ではフランス語、『人文リテラシー』科目等、複数の講義科目を担当しています。講義科目では、2つのリテラシーの習得を目指しています。1つ目は読む方(分析)のリテラシー。高等教育の役割の一つに、偏見や差別からの解放があります。歴史や社会について正しい知識を身に着け、インターネット上の不確かな情報を正当に批判できるようになってほしいです。偏見や差別から自由になることは、高等教育の最大の意義であり、国際社会で生きるうえの最低限の『教養』です。また、図像や映像の文体(仕組み)を理解して、メディアリテラシーを身に付けることも重要です。2つ目は書く方のリテラシー、レポートの書き方を習得することです。私は毎回数分のレクチャーをするだけですが、受講生は素晴らしいレポートを提出してくれます。まとまった量の文章を書けるようになることは、思考の枠組みを形成する上でも非常に重要です」

メッセージ

玉田敦子先生

「現在の日本社会が多くの点で生きづらいのは、皆さん自身、肌で感じていると思います。しかし、海外に目を向ければ全く違う景色が広がっています。例えばフランスなど多くのヨーロッパ諸国では週35時間労働と5週間の有給休暇取得が徹底しています。男女の賃金格差も圧倒的に少ないです。中部大には世界的なネットワークをもつ教員、留学生も多いので、自分の関心、疑問についてできるだけ多くの人たちに話してみてください。これからの時代を生き抜いていくためには、信頼できる大人の知恵を借りて正しい情報を取捨選択し、活用する必要があります。そのためには、本をたくさん読むことが大切です。日本では近年読みやすい古典の翻訳が爆発的に増えました。中部大は図書館も大変充実しているので、どんどん利用して読んでください。そして本を読む友人同士のネットワークを広げ、最終的には教員を巻き込んでください。教員にとっても、それは本望です」

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