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生命健康科学部 理学療法学科 戸田 香先生

【2015年4月1日】

戸田先生

プロフィール

戸田 香(トダ カオル)先生。名古屋大学医療技術短期大学部卒業。名古屋大学大学院医学系研究科 研究生(健康増進医学講座)、博士(医学・論博)。愛知医療学院、中部大学技術医療専門学校の専任教員を経て、2012年から中部大学へ。生命健康科学部 理学療法学科 准教授。理学療法士、専門理学療法士(物理療法)、三学会合同呼吸療法認定士。

三重県出身。ご主人と娘さん1人、息子さん1人、お義母さんの5人家族。休日は家事に奮闘しながら、楽器演奏(クラリネット、琴など)や音楽鑑賞を楽しむ。夫婦でウォーキングやドライブ、ショッピングに出かけることも。

戸田先生をClose Up!

身体の深部感覚の評価

「『深部感覚の評価』が研究のテーマです。例えば目の前にある大きな石を持ち上げようとした時に思ったよりも軽く拍子抜けした経験はありませんか?このとき私たちは無意識のうちに目の前にある石の重さをイメージしています。そして、腕の筋や関節は持ち上げるための準備をしているのです。身体は重いものを持ち上げようと準備していますので、イメージとのギャップが生じてしまうのです。眼を閉じていても手足の位置や関節の角度、運動、物の重量、抵抗などが分かる。これを深部感覚といいます。深部感覚が正常であることは、人が運動を行う上で非常に重要です。筋力が十分にあることは運動の前提ですが、患者さんの日常動作の不自由を減らすために支援をする理学療法士にとって、筋機能と同様に感覚機能を把握することはとても重要なのです」

検査の様子

「近年は振動覚を引き起こす振動刺激そのものの効果についても研究しています。写真は片側の手に振動刺激を加えたときに、反対側の上肢の誘発筋電図にどんな反応が出るかを電気生理学的に検査しているところです。左右の上下肢を支配する神経は各位置ごとに同一の脊髄レベルから出入りするので、片方の腕に刺激を与えると反対側の腕にも反応が生じ、脊髄の中の興奮性にも影響を与えていることが分かるのです」

硬くなった筋を柔らかくする

「皮膚の上から強めに圧迫し骨格筋に振動刺激を加えると筋に持続的な反射性収縮が生じます。一方、皮膚表面への振動刺激は反射性の筋収縮を抑制します。実験は健常な学生さんのデータですが、脳卒中などでは反射性筋収縮が増強して体が硬くなった方に、麻痺側と反対側にある対称部位の皮膚に振動刺激を与えると運動神経の活動が抑制され、筋が柔らかくなる可能性が推測されるのです」

※誘発筋電図…M波は直接刺激を与えている箇所の波形。F波は脊髄まで到達した刺激が再度神経を通じて腕に戻ってきたときの波形。

誘発筋電図

  • 誘発筋電図のモデル

誘発筋電図

  • 安静時の波形

誘発筋電図

  • 皮膚表面を振動刺激した時の波形

戸田先生の学生時代

「名古屋大学医療技術短期大学部での学生時代は真面目に勉強しました。ガリ勉というよりは勉強が楽しかったですね。自分の動作を筋電計で計測し、手で触って感じる筋肉の動き(触診)と実際の筋電図を比較する課題レポートや、動作を分析する授業には熱中しました。指導教官ともデータの解釈について何度も議論をしました。理学療法士の免許を取り、10年間病院で勤務した後、結婚・出産を終え、32歳になって名古屋大学大学院医学系研究科の研究生になりました。研究のいろはも知らずに飛び込んだ世界では戸惑いばかりでしたが、新しい知識を得る喜びは短期大学部の時よりも大きかったですね。それだけ自分が苦労した証拠かもしれません。40歳になる直前に医学博士の学位を手に入れたときは肩の荷が下り、感慨もひとしおでした」

学生との関わり合いの中で

戸田先生

例年1月~2月は、3月に行われる理学療法士の国家試験に向け追い込みの時期。試験対策のため研究室で個別指導をすることもあるという戸田先生。これまでに出会った印象深い学生のことを尋ねると、「よく勉強ができた子よりも『まわり道』をした子のことが思い浮かびます。留年前は頼りない印象だったのに、失敗や挫折をきっかけにぐっと成長して、立派な理学療法士になっていく学生もいました。失敗することで気付くことや得るものは必ずあるのだと思います」

理学療法士を目指す学生さんへ伝えたいこと

戸田先生

「自分が、あるいは大切な誰かが、何気なく行っていた日々の動作を急に行えない状態になったとしたらどんな気持ちでしょうか。想像してみてください。不安、恐怖、悲嘆、絶望・・・。『相手の立場に立って考える』と口では簡単に言えますが、心や身体を病んだ人の心を真に理解するのは本当に難しいことです。将来、医療界で働こうと思っている皆さんには、これから先の出会いの中で『あなたのことを理解したい、関わりたい』という思いを言語的にも非言語的にも伝えることを意識してほしいと思います。『一期一会』の患者さんの心と身体に寄り添い、最善の治療を提供できる、そんなプロ意識を持った治療者を目指してください」

地域との関わり

中部大は文部科学省が推進する「地(知)の拠点整備事業」で、地域志向の活動を通して学生の教育・人材育成を行う春日井市における世代間交流による地域活性化・学生共育事業別サイトにリンクしますに取り組んでいます。そのなかで戸田先生は高齢者・学生交流ラーニングホームステイ別サイトにリンクします事業に関わっています。

交流会の様子

交流会の様子

「人がどこで最期を迎えるか。厚生労働省は、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域包括ケアシステムの構築を推進しています。大学の近くには高蔵寺ニュータウンがありますが、高齢化率が上昇し、人口は減少傾向にあります。住民が住み慣れた地域で住み続けるには地域活性化が不可欠となっています。私は2012(平成24)年から中部大生が高蔵寺ニュータウンの高齢者宅で短期間生活するラーニングホームステイに取り組んでいます。同時に世代間解離を解消するための定期的な世代間交流会を企画し、高齢者と学生の相互理解を促しています。学生と地域住民との交流の輪が広がれば、やがて地域住民同士のつながりや絆を深めることにも貢献できると考えています」

高校生にメッセージ

戸田先生

「自分の学生時代を振り返ると、自分の偏差値ならどこに入学できるかな・・・なんて消極的なことを考えていた時期がありました。世の中にはたくさんの学問領域が存在します。ぜひ自分の夢を持ってください。大学とは自分の意識次第で学びの質も量もいか様にも向上できる場所です。中部大には学生さんが自己開拓できる多彩な学習の機会があります。皆さんの本気のやる気を中部大はサポートできると信じています。一緒に夢を叶えましょう」

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