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人文学部 日本語日本文化学科 武藤彩加先生

【2021年7月1日】

武藤彩加先生main

現代日本語学(認知意味論)、日本語教育学が専門
「共感覚的比喩」や五感を表す表現の調査・研究

プロフィール

武藤 彩加(ムトウ アヤカ)先生。名古屋大学大学院 国際言語文化研究科 日本言語文化専攻博士後期課程修了。博士(文学)。立命館アジア太平洋大学、琉球大学、広島市立大学で日本語教員を務めた後、2019年4月中部大学に着任。人文学部 日本語日本文化学科教授。

愛知県生まれ。猫を飼っていて、子供たちの用事と家事、運動を済ませた後は、猫たちと家で過ごすことが多い。好きな食べ物は、具だくさんのスープ。

武藤先生を Close Up!

先生の研究内容

著書

先生が携わった本の一部。上段左から:『共感覚から見えるもの』(勉誠出版)、『日本語の共感覚的比喩』(ひつじ書房)、『複数の「感覚・言語・文化」のインターフェイス―境界面での変化と創造に関する新しい見方』(水声社)、下段左から:『「おいしい」感覚と言葉 食感の世代 sizzleword』(BMFT出版部)、『ことばは味を超える―美味しい表現の探求』(海鳴社)、『ふわとろ SIZZLE WORD 「おいしい」言葉の使い方』(B・M・FT出版部)、『〈際〉からの探究』(文眞堂)

「『甘い』は味(味覚)を表す形容詞ですが、甘い声(聴覚)、甘い香り(嗅覚)など他の感覚も表します。このような五感内の意味の転用を共感覚的比喩といいますが、日本語に限らず英語や他の言語にも広くみられます。私が面白いと思っているのは、こうした五感に関する表現には、文化により生じる多様性(相違性)がみられる一方で、私たち人間の、ヒトとしての共通性(生物学的普遍)も同時にみられるという点です。どのような点が言語の違いを超えて同じで、どのような点が違うのか。今は味(味覚)を表す表現を中心に研究調査をしています。一例として、日本語等に多くみられる食感を表す表現(プリプリ、モチモチなど)は、言語によってはあまり多くみられません。それではその言語の話者はどのような点に注目して食べ物のおいしさを表すのでしょうか。また人の思考や認識はどの程度、母語に影響されるのでしょうか。興味がある人は“サピア・ウォーフの仮説”に関する本などを読んでみてください(cf.今井むつみ(2010)『ことばと思考』岩波新書など)。この仮説はもちろん批判も多いのですが、言語と認知の問題を考えるきっかけになると思います。これからの5年間は、科研費で文化人類学の研究者の方と調査を実施する予定です」

今の研究を始めたきっかけ

留学生

「数え切れないぐらいのアルバイト、会社員生活などを経て、本を読むことと書くことだけは続けられるとわかりました。“人間は、ことばを通して世界を認識する。よって言語が違えば世界の見え方は異なり、そこに文化の差も生じてくる”(鈴木孝夫(1973)『ことばと文化』,岩波新書)という先の仮説がある一方で、「約100種類の言語にみられる普遍性や共通の進化過程を主張する」“基本色彩語”(ブレント・バーリン,ポール・ケイ、日高杏子訳『基本の色彩語-普遍性と進化について』法政大学出版局)などの研究があることを知り、“非言語的な領域と言語との関係”についてもっと知りたいと思い、今に至ります。教育の仕事については、留学生に日本語を教える日本語教師として約20年働いてきました。世界中から集まる人々との出会いもあり、とても面白くやりがいのある仕事で、これもまた飽きることがありません」

日本語日本文化学科の魅力や取り組み

台湾1

台湾の大学での日本語教育実習の様子

「日本語や日本文化、日本文学に興味がある学生にはとても居心地のいい学科です。先生方はとてもあたたかく親切で、学生の皆さんも十人十色。それぞれが個性的で良い雰囲気です。学科としては、今後はより日本語教員の養成に力を入れて、国語の教員だけでなく日本語教員を多く育てていきたいと話し合っています。日本語日本文化学科には、国語の教員免許を取りたい学生が多く入学してきますが、国語だけでなく日本語教育の勉強にもぜひ、挑戦してみてほしいです。今後は日本語が母語でない生徒がどんどん増えていくことが予想されますから。また教員志望でない方にも、企業内で日本語非母語話者に接する機会がこれからますます増えると思われるので、日本語を外国語としてどう教えるか、その知識の一端を知っておくのは必要なことです。もちろん、日本語教師として世界を舞台に活躍したい人は、本格的にその勉強に取り組んでいただきたいです。英語などと同様に、『日本語を教える技術』を世界に出るための道具の一つとして身につけてみませんか。日本語教育の実習では、中国文化大学 (台湾・台北市)や学内で日本語を学んでいる留学生に日本語を教えることを体験します」

先生の学生時代

「人生の節目で出会いに恵まれました。ニュージーランド滞在時のホストマザーのお陰で日本語教師の仕事を知り、大学院では恩師と仲間に恵まれました。社会人になってからも、素晴らしい先生方やスタッフの皆様、学生の皆さんに囲まれてどうにか仕事がやれていると日々、感じています」

先生の飼い猫

猫

「猫は保護猫団体から譲り受けました。1匹は広島で、もう1匹は愛知の団体です。実は2匹目は、「預かりボランティア」だけのはずが情が移ってしまい、結局うちで飼うことになったという経緯があります。年間、日本中で多くの猫や犬が捨てられ、殺傷処分になっています。ペットを検討している人は、ペットショップで購入する前にぜひ保護猫(犬)を検討してください。インターネットにもたくさん里親募集の情報が出ています。よろしくお願いします」

メッセージ

武藤先生メッセージ

「大学は、ほとんどの人にとって学生でいられる最後の4年間です。後は約40年間、社会人としての人生が待っています。そのことを念頭に置いて、様々な経験をし、人との出会いを通して悔いのない学生生活を過ごしてほしいと願っています。授業だけでなく、大学が用意している海外研修や学内の様々な活動にも参加するなど、ぜひ積極的に行動してください」

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