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人文学部 歴史地理学科 一谷和郎先生

【2020年7月1日】

一谷和郎先生

中国近現代史が専門
「貨幣」に着目して支配や被支配の関係を研究

プロフィール

一谷和郎(イチタニ カズオ)先生。慶應義塾大学 文学部 史学科東洋史学専攻卒業。慶應義塾大学大学院 法学研究科 修士課程修了。同博士課程単位取得満期退学。博士課程在学中に中国の南開大学へ留学。敬愛大学、城西国際大学、横浜商科大学、立教新座高等学校非常勤講師、慶應義塾大学東アジア研究所所員などを経て、2007年4月に中部大学に着任。人文学部 歴史地理学科准教授。

大阪府出身。好きな食べ物はホンモロコの素焼き、ふなずし、ハモの湯引き、水煮肉片(四川料理)、紅玉(りんご)。自宅で日本原産淡水魚の飼育をしている。たまに3インチ・フローライト望遠鏡で天体観望する。毎年夏には家族と車で長距離旅に出る。

一谷先生を Close Up!

先生の研究内容

貨幣

日中戦争の頃の石版印刷の中華民国の貨幣

中国の外交学院で

2012年には中国の外交学院で交換客員教員を務めた。講義を担当した学生たちと

「皆さんは中国というと、中華料理、悠久の歴史、パンダ、覚えられない漢字人名、カンフーサッカーなど、いろいろなイメージを持っていると思います。中国は、2010年代以降超大国と呼ばれる存在になりましたが、実はこの国家はわずか70年前に大変な生みの苦しみを経て創建されたという事実をご存じでしょうか。ここでいう生みの苦しみというのは、戦争や革命が数十年続いた事態を指します。中でも特大の革命が今の中国を生んだ1949年革命でした。私の研究は、その特大の革命を引き起こした諸々の力を探り、それらの作用を確かめることです。革命を起こす力として、指導者の統制力、帝国主義のような外圧、民衆の感情を喚起するナショナリズムなどが重要な構成要素になりますが、とりわけ私は貨幣に注目して革命の分析を行っています。貨幣は為政者にも民衆にも等しく身近なモノであり、それを持つ者と持たざる者との間に大きな格差を生じさせる、興味深い対象です。貨幣の性格や作用を通じて、支配とか被支配の関係を考えることが私の研究テーマです。また、現代中国の成立以前、日中戦争の8年間(1937年~1945年)ほど中国を苦境に陥らせた時期はありませんでした。私は特にこの8年間の歴史を研究しています」

研究を志したきっかけ

一谷和郎先生

「高校2年の時にE.H.カー『歴史とは何か』を読み、学問としての歴史学の存在を知りました。ちょうどその時分、歴史小説やテレビ・ドキュメンタリーの影響を受けて、私の中で中国文明に対する憧憬の念に似た思いが出来上がっていました。他方で、天安門事件以降のリアルな中国の姿が10代の私には大変刺激的で、次第に現代中国の動きに最大の関心を抱くようになっていきました。中国への私の目覚めは、何か学問的な面白さを感じたというより、現代の政治・社会現象に対する問題関心によってもたらされたと言えます。自国の彼方に見えた中国をあえて研究対象にした面もあります」

先生の学生時代

大学院生時代

大学院生時代、学会で訪れたアメリカのハーバード大学にて

「端的に言えば、解放的な生活を送っていました。学生の自律を重んじる自由な大学にいたおかげで、読書をする時間も多く取り、自学自修を貫けました。また、喫茶店や居酒屋、お互いの下宿で毎日のように政治から文学まで語りあえる、才智に富んだ多くの友人と交われたことは、今の私の財産になっています。4年生になり、卒業論文執筆に取り組みましたが、決して楽ではなく、連日の徹夜がたたって手指が動かなくなってしまったことがあります。その他、よく旅行に出かけました。高校卒業までに日本全県を一人旅していたので、大学入学後は、海外へ出ました。中でもやはり、まだ発展途上だった中国への最初の旅が思い出深いです。凍てつく冬の夜、北京の屋台で初めて飲んだ『二鍋頭』(アルゴトウ、50~60度の蒸留酒)のひどくまずい味、南北1,200kmの峩々(がが)たる山脈、憧れの大興安嶺越え、その音楽に心酔していた指揮者朝比奈隆ゆかりの地・ハルビンで、彼が棒を振ったマーテル賓館を眼前にしたことなどは、当時の私の瑞々しい感性を特に大きく揺さぶりました」

メッセージ

一谷和郎先生

「社会に出て独立すれば、できることは自ずと限られてくるので、学生のうちに何でもやっておくのがいいでしょう。その際、できる限り1人で考え、判断し、行動するスタイルを身に付けると良いと思います。独力で成し遂げた経験は、独自の価値観を発見することにつながります。右顧左眄(うこさべん)せず、個を磨いてください。そして、世のため人のためといった大それたことはあまり考えず、むしろただ自分のために生きていってほしいですね。そのほうがかえって世のためになります」

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