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国際関係学部 国際学科 加々美康彦先生

【2017年3月1日】

加々美康彦先生

専門は国際法、海洋法、自然保護法、海洋政策、保全生態学
研究者を志した出発点は大学図書館の地下書庫

プロフィール

加々美康彦(カガミ ヤスヒコ)先生。 関西大学 法学部 法律学科卒業。関西大学大学院 法学研究科 博士課程単位取得退学。修士(法学)。海洋政策研究財団研究員、鳥取環境大学専任講師・准教授を経て、2009年9月より、中部大学に着任。国際関係学部 国際学科准教授。 横浜国立大学客員准教授。内閣官房総合海洋政策本部事務局 大陸棚延長助言会議委員。 これまで数多くの学外・政府関連委員会の委員を歴任。

兵庫県宝塚市出身。奥様と娘さんの3人家族。名古屋の喫茶店文化にすっかりはまり、奥様と喫茶店巡りをするのが楽しみ。

加々美先生を Close Up!

先生の研究内容

加々美康彦先生

先生の研究室には書物がずらりと並ぶ

国連本部

ニューヨークの国連本部での会議に出席して

「海は切れ目なく続き、世界を結びつけている・・・はずですが、国際社会は昔から、海に(政治的な)境界線を引いて、分割して支配してきました。古くは、陸地に設置された大砲の着弾距離を、沿岸国の主権が及ぶ『領海』として安全を確保し、今日ではさらに海岸線から200カイリ(約370キロメートル)までを『排他的経済水域』として境界線を引き、海洋資源を囲い込んでいます。今日、海洋で生ずる国際紛争の多くは、こうした境界線をめぐる争いに起因します。私の研究は、まさにこの海の境界に関係します。特に、政治的に引かれた境界線が、その線を気にせず生息する海洋生物や生態系の管理に対してどこまで効果的なのか、という問題意識を持っています。そのため、生態学者と共同研究をしたり、関連省庁の委員会などを通じて日本の海洋生態系の保全戦略の立案にも参画したりしてきました。学際研究や、国の政策形成に関与できるところが、この研究の大きな魅力です」

研究を志したきっかけ

図書館

附属三浦記念図書館別サイトにリンクします地下の書庫で

「中部大学の図書館は素晴らしいのでぜひ活用を」
「地上3階、地下2階建ての中部大学の図書館は、本のジャングル。ぜひ“探検”してみてください」

「小さい頃から世界地図に興味があり、いつか国境をまたぐような仕事をしたいと夢見ていました。高校時代、テレビで見た米ソ首脳会談(1989年)に感動し、ロシア語通訳になろうと考えました。しかし受験に失敗し、唯一受かった法学部に進み、『国際法』のゼミに入りました。当時まだ、ロシア語通訳の道は諦めていませんでしたが、ゼミに入ると入室が認められる大学図書館の地下書庫に初めて入った日、私の人生は変わりました。狭いエレベーターに乗って、降り立った地下書庫に、1世紀以上も昔の本や論文が大量に保管されているのを目の当たりにした私は、『いつか自分も、ここに保管されるような文章を残したい』と思い、研究者の道を志しました」
「大学院に進み、選んだ研究テーマは、当時海洋法の分野で注目され始めていた、『200カイリ排他的経済水域の境界をまたいで分布する魚類資源(straddling stocks)』の国際管理でした。この研究が評価され、研究所に就職することができましたが、その意味で―境界をまたぐのは私ではなく、魚の方ですが―国境をまたぐ“ような”仕事をしたいという小さい頃からの夢は、一応はかなったのかもしれません(笑)」

先生の学生時代

ギリシャ

ギリシャ

当時のギリシャの様子
独立記念日のセレモニーに遭遇した

「高校時代に神戸に引っ越し、神戸出身の作家、村上春樹の文章をよく読むようになりました。彼が書いた小説は、ほとんど読んでいると思います。彼の物語や、エッセーに出てくる音楽を聴いたりするのがとても好きでした。大学時代に初めて行った海外旅行先はギリシャでしたが、村上の『遠い太鼓』(1990年)という旅行記に影響を受けたものです。片言のギリシャ語を駆使して、気ままに1人旅を楽しみました」

メッセージ

加々美康彦先生

大学のグラウンドで娘さんと

「本学の建学の精神は、“Acta non verba”(不言実行)です。いろいろな解釈があると思いますが、私は『机の上で学んで終わりではなく、行動に移せ』と理解しています。これに関する思い出があります。まだ駆け出しの頃、オーストラリアで開催された太平洋島嶼(とうしょ)国の環境省職員を集めた研修会に参加したときのことです。私は、彼らの前で『もっと環境保護条約に加盟すべきだ』とのプレゼンを行いました。しかし、参加者から受けた質問に愕然としました。『その条約に入ると、いくらもらえるのか?』。そんなことは、日本の国際法の教科書には1行も書かれていません。私のプレゼンは、資金も人材も潤沢な日本の視点による机上の理論であって、資金も人材も乏しい島嶼途上国の現場では、まったく違う視点があることに気付かされました。まさに、机の上で学んで終わりではなく、実際に出かけて現場を知らねばらないと感じました。これこそ、“Acta non verba”だと思います。在学生の皆さん、とりわけ国際学科の学生諸君には、世界に飛び出し、学んだことを行動に移す、本学の建学の精神を実践してもらえれば、世界がぐっと広がると思います」

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