再挑戦

国際関係学部 国際文化学科 加藤美和子

  • 中華人民共和国(ハルビン理工大学中国語・中国文化プログラム)
  • 期間: 4カ月

再挑戦

そう、これは私の再挑戦だ。

2003年春、世界規模でのSARS発生。この事件は中国への留学生に多大な影響をもたらした。帰国をやむなくされた人、自ら帰国を選んだ人、中国に残った人、様々な人がいるが、私は帰国を選んだ人だ。もちろん帰国なんて一番したくなかったし、半年勉強するつもりで中国へ来たのに二ヵ月で帰国。ショックが大きかったのは、言うまでもない。帰国後の私は本当に腐っていた。だから、もう一度留学することを目標に勉強した。

実際、二ヵ月で覚えた中国語はきわめて生活に密着した簡単な語句ばかりだ。習慣的に使う言葉は使えるようになったが、中国人の友達と話すときは大変だ。全部中国語だと、わずかな単語が聞き取れた……?という感じで、さっぱりわからない。一年大学で勉強していっても、現地はやはりちがう。本当に何をいっているのかわからないのだ。とても悔しかった。

なので、再度これたことは本当に運がいいし、快く送り出してくれた両親には本当に感謝している。何より大学が認めてくれたことは私にとって本当によかった。悔しいままで終わらずにすむからだ。

私の今回の留学での目的の一つは中国語のレベルを上げること。これは何より重要なことだ。中国人の友達や他の国の留学生と自由に話ができたらとても楽しいだろうと思うし、授業も先生の話が全部わかったらもっと楽しいと思ったからだ。
もう一つは旅行に行くこと。哈爾浜(ハルビン)だけではなくほかの中国を見ることも留学での楽しみだと思うからだ。

哈爾浜にきて、もう三ヵ月半。日常生活はほとんど問題なくすごせるし、自分では進歩が見られないように感じるが、授業も先生が解説していることも、余談話も、全部聞き取れる。去年よりは少しはよくなっていると思う。自分自身で気づかなくても、知らない間に階段を上るようにレベルが上がっていくのが留学生活なんだ、と知り合いの韓国人の友達が力説していた。考えなくても中国語が出てくる。わざわざ頭の中で漢字に直さなくても発音できる。中国人の友達と中国語で会話できる。

少しずつでもできることがふえてくるととても楽しい。

来たばかりのとき、「このまま進歩もなく今と変わらなかったらどうしよう。」とばかり思っていた。やはり現地で学ぶのは違う。変わっていくスピードが全然違う。魔法にかかったように違う国の言葉でも三ヵ月もすれば自由に使いこなせるのだ。

こちらに来てから、中国でしかできないことをしよう!!と決めていたので、二胡(中国の伝統楽器)を習い始めた。知り合いの先生が紹介してくれ、市内でも有名な先生に教えていただいている。週に一回のレッスンだが、留学生は時間がない、ということで毎週新しいことを教わる。もちろん会話は中国語。専門用語が出てくるとわからないが、説明してもらえば大体の意味は把握できる。とてもおもしろい。街中で二胡を演奏している人もよく見かける。日本でいえばストリートミュージシャンだ。

日本でピアノやバイオリンなど習う子どもが多いように、中国でも多くの子どもたちがピアノ、バイオリン、歌、舞踊、二胡、琵琶など様々な習い事をしている。ほとんどの家庭が一人っ子なので両親の期待は大きく、習い事にも力の入れ具合が違う。レッスンにも親同伴で来るのが一般的で、家では一緒に一日2時間くらいの練習を欠かさないそうだ。

こういった家庭が多いからだろうか、中国人の学生の集中力、努力を惜しまない姿勢には本当に頭がさがる。学生生活といえば、大学で授業をうけて、夕方からバイト、週末は友達と出かけたり買い物にいったり。こういう生活とはまったく違い、朝6時から運動、勉強、8時から授業で一番遅い授業ならば夜9時近くまで授業をうけ、帰ったら寮で宿題と予習。授業がない日には友達にあったり、勉強したり。これが一般的な中国の学生の学生生活だ。大学が全寮制であったり、学生数が多いことにも起因しているが、勉強が大半を占める。高校や中学と同じ感覚を覚えてしまう。

そんな大学生活を送っているからこそ夏休みなどの長期休暇は羽休めにちょうどいい。ほとんどの学生が故郷へ帰り、数人はバイトをしたり、旅行に行ったりするのが一般的だ。私たちも5月の労働節(メーデー)の休みに6日間大連、瀋陽を旅行してきた。大連はとても日本との関係を持つ会社が多いため、日本料理店も多く、日本語ができる人も結構いる。そんなに大きな都市ではないが、街並みもとても綺麗で観光客も多く、過ごしやすい。

瀋陽もとても綺麗なところで、まだまだ発展していくような感じを覚えるところだった。瀋陽には清朝の故宮や公園など見て回るのにはもってこいの場所が多く、いかにも想像どおりの中国!!を満喫できる。頑張れば一日でまわることも可能だ。

旅行で感じたことは、中国は本当にいろんな面をもっているのだということ。本当に多色の国だ。一つの国であるのに、場所によって文化も違えば考え方もまったく違う。いろんな刺激をうけた。もう一つ、自分の中国語が別の場所でも通じるということに感動した。旅行に行く前、私は(もしも通じなかったらどうしよう!!)と気をもんでいたのだが、そんな心配は要らなかった。旅行も無事に終えれたし、積極的に話す機会が多いので会話練習も兼ねられる。

たった三ヵ月ちょっとの間に私はたくさんのことを経験することができた。再度来てから前に知り合った友達ともよく遊んでいる。もちろんたくさんの新しい友達もできた。少し話せるだけで、コミュニケーションの輪は限りなく広がる。毎日友達と話したり、遊びにいったり。これもすべて「留学」ならではの勉強方法だ。

ずっと一緒にいられたら……。と思えるような本当にいい友達に恵まれて、私は今の生活が楽しくてたまらない。

「私たちが一緒にいる時間は本当に短いけれど、一緒にいた事実は変わらないし、忘れれるわけがないじゃない。一生友達なんだから。」
そういってくれる友達が私は本当に大好きだ。あと本当に少しの時間ではあるけれど、もっともっと学んで、吸収して、思う存分中国での留学生活を満喫したい。

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