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2020年度 国際関係学部学位記授与式

【2021年3月23日】

学位記授与式(卒業式)ならびに優秀卒業論文賞表彰式が行われました。

 今年度の学位記授与式(卒業式)は、コロナ対策として3部制で実施され、国際関係学部は午後に挙行されました。その後、大講義室に移動して学部単位での学位記授与式が行われました。
 中山紀子学部長代理の送辞に続き、学部生126名が国際学士の学位記を授与されました。今年も、恒例となる2020年度 国際関係学部⻑賞優秀卒業論文賞の表彰式も行われました。


講堂で行われてた学位記授与式

中山学部長代理の送辞

中山学部⻑代理を囲んで受賞者の記念撮影

各賞受賞論文の表題は以下の通りです

<最優秀論文賞>
 後期ヴェーバーの著作におけるギリシア悲劇的要素
        ― 古典ギリシアの作品を題材にして ―

<優秀論文
 「かくれキリシタン」は日本特有の宗教観だと言えるのか
       ― 尾張キリシタンの聖像画から学ぶ信仰の形 ―

<部門賞>
  【国際政治経済部門賞】
   メコン流域圏の貧困対策と経済発展
        ― ベトナムとカンボジアに焦点を当てて ―

【国際社会文化部門賞】
 滋賀県の長寿要因を探る
 宗教国家アメリカにおけるLGBT

各部門の講評は次の通りです:

【国際政治経済部門講評】
 今回の国際政治経済部門への応募は2点あった。いずれも力作で、本学部における当該領域についての学びの深さを裏付けるものとして歓迎したい。
 政治思想家のマックス・ヴェーバーを扱った「後期ヴェーバーの著作におけるギリシア悲劇的要素―古典ギリシアの作品を題材にして―」は、ヴェーバーの後期著作がギリシア悲劇的な要素を持つことを論証するものである。ギリシア古典の作品を丁寧に読み込み、また先行研究を踏まえた上で独自の知見を提示した。論理整合性のとれた堅実な筆致からは、参考文献として挙げられた高度に専門的な学術書もきちんと理解していることがよくわかる他、ドイツ語の原文にあたり分析を加えている点なども、論文としての水準の高さを表している。
 もう一つの論文は、ベトナムとカンボジアの比較を通じて、両国の貧困削減政策を論じた「メコン流域圏の貧困対策と経済発展―ベトナムとカンボジアに焦点を当てて―」である。同論文では、近年目覚ましい発展を遂げる東南アジアのメコン流域圏の中で、過去に激しい戦闘が行われた共通点を持つ二か国をとりあげ、貧困を削減したベトナムと、国際的な支援に頼らざるを得ないカンボジアとを比較し、その要因が探られている。両国を歴史、政治、貧困対策、経済発展の状況、という項目に区分し考察する流れは「とてもすっきりしていて、論文構成として非常に妥当」と評価された。
 部門全体としては、昨年に引き続き政治経済部門への応募が2点のみであったのはいささか寂しい状況である。政治経済は「難しいもの」「自分から遠いもの」と感じる向きもあるかもしれない。また、世界の分け方として「政治経済」以外のすべての事象は「社会文化」の範疇に入るとも言えるため、元々の広さに差異がある点も加味しなくてはならない。
 しかしながらその上でなお、私たちの身近には政治と経済が、一般に認識されているよりも多く見いだせることを強調しておきたい。これらは動きであり視点でもある。例えば、至極文化的現象に見える「音楽」一つをとってみても、その背後には政治や経済が密接に結びついている。このような視点は、大学卒業後にいかなる進路を選択したとしても、人生において視野を広げ、洞察力を高めるのに有益である。是非、意識を向けていってもらいたい。

【評者:岩間優希・国際学科准教授】

【国際社会文化部門講評】
 国際社会文化部門への応募は6点あった。
 今年度は、日本国内の地域文化研究が3点あったことが特徴的であり、それぞれ周到に一つのテーマを掘り下げた点で評価できる論文であった。新型コロナウイルス感染症の蔓延により、学生の学業生活の確保が難しい年であったと思うが、応募者の中には、現地調査による第一次資料収集を積極的に行った、力強い論文が2点あったことは、特筆に値する。その一つが優秀論文賞に輝いた、「「かくれキリシタン」は日本特有の宗教観だと言えるのか―尾張キリシタンの聖像画から学ぶ信仰の形―」である。この論は美術資料を実際に分析し、聞取り調査も取り入れて論証を行った意欲作であり、最優秀論文二次審査へと進んだ。もう一点が、議論は散漫であるが筆者の情熱が伝わる「瀬戸焼と染付・呉須の歴史について」である。
 「滋賀県の長寿要因を探る」、「宗教国家アメリカにおけるLGBT」は部門賞に輝いた。前者は徹底的なデータ収集により、独自の視点から長寿と県民性との関わりを論じたオリジナリティに溢れた論文である。また後者は、宗教からLGBTを分析する点が興味深く、筆者の意見や論旨が明確であり、論述力も優れている。「差別が作り上げた世界」および「世界遺産とはどのようなものか」については、論点の散漫性など問題が多いが、前者については差別が生まれた理由と筆者独自の解決法を評価する声もあった。
 今年度は応募論文のレベルにかなりのばらつきがあった。徹底的な資料調査と、テーマに基づいた現地調査をもとに、オリジナルかつ学術的方法論に基づいた説得力ある議論がなされた一方で、卒業論文としても合格とは言い難い応募論文が存在した。審査委員会では、質的に劣った論文の投稿を未然阻止する方法はないかという議論もなされた。チャレンジ精神も重要であるが、ウイキペディアの情報にあまりにも多くを頼ったがために、自らの論の価値を下げていることを筆者が反省できないことに問題がある。

【評者:伊藤裕子・国際学科教授】
 

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