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オハイオ大学交換教授の2カ月間(教授:田中高)

【2020年6月22日】

オハイオ大学交換教授の2カ月間

国際学科 田中高

 2020年1月25日から3月29日まで、オハイオ大学に交換教授として滞在しました。正式の名称はRobert Glidden Visiting Professor。中部大学とオハイオ大学はとても長くて、強い紐帯を築いてきました。両校の交流協定が結ばれたのは、今から47年前の1973年にさかのぼります。オハイオ大学本部キャンパスには、中部大学の創設者三浦幸平、山田和夫両先生を顕彰するプレートやYAMADA INTERNATIONAL HOUSEがあり、図書館にはCHUBU COLLECTIONも置かれています。残念ながら新型ウイルスのため、今年のオハイオ大学長期研修は、途中で中止せざるを得なくなりましたが、これまでたくさんの中部大生がオハイオ大学で学びました。
 さて、今回この場をお借りして報告したいのは、滞在中に訪問した、ミシガン州にある、ミシガン製糖会社(Michigan Sugar Company)のことです。同社は5大湖の一つ、ヒューロン湖サギノー湾の奥の方にある、ベイ・シティーに本社・工場を構えています。
                                     


 ここは人口3万5千人ほどの、中西部の地方都市です。オハイオ大学のあるアセンズ市からは、いったん州都のコロンバスに出て、飛行機で約1時間かけてデトロイトに着き、そこから3時間半のバス旅行でした。デトロイトのバスターミナルや、車内の様子など、思い出話を書けばきりがないので、今回は省略します。ただ、この時にあった人々(米国では長距離バスを利用するのは、アフリカ系やヒスパニックなど、総じて所得水準の低い人が多いです)の様子が、筆者の研究している中米諸国に少し似ていたのが興味深かったです。帰路の車内はおしゃべりや音楽でにぎやかなことでした。

 ミシガン製糖会社は全米で最も古いシュガー・ミート(サトウダイコン)の製糖工場です。同社は一般向けに無料のガイドツアーを催行しています。
                                   

 事前にインターネットで予約して、決められた時間に工場内に集合します。当日の参加者は15人くらいで、筆者以外は全員米国人でした。年齢層はまちまちでしたが、ほとんど地元の人たちです。90分くらいのツアーでしたが、製糖工場の主要な部分を実に効率的に案内していただきました。
 米国は世界第5位の砂糖生産国(シュガー・ビートとシュガー・ケーン=サトウキビ)ですが、同時に毎年300万トン前後の砂糖を輸入する、世界第3位の砂糖輸入国です。価格は国内産が国際価格の2倍以上で、輸入を自由化すると、国内の砂糖生産農家と製糖企業は苦境に立たされます。ですから長年にわたり、保護政策がとられてきました。アメリカ砂糖連盟( ASA: American Sugar Alliance )は強力なロビー組織で、政治的な影響力があります。米国滞在中、幸いワシントンDCにある、ASAの本部を訪問し、貴重なお話を聞くことができました。

                                   

 本部は、ちょうどアーリントン墓地の裏側にある、しゃれたオフィス街の一角にあります。ベイ・シティとはまるで雰囲気が異なり、米国の国土の広大さを改めて認識しました。
 オハイオ大学に戻り、カウンターパートを引き受けてくださった、経済学部のJulia Paxton教授に、ベイ・シティーとワシントンDC訪問の成果を報告したところ、大変興味を持ってくださいました。

                                   

 先生はマイクロ・ファイナンスがご専門で、エルサルバドル、グアテマラなどでフィールド調査をされた経験があります。実は米国が輸入する砂糖の多くは、中米・カリブ海諸国から輸入していて、共通の話題で盛り上がりました。
 今回の滞在中、コロンビア、ブラジルなどにも足をのばしました。ブラジルは世界最大の砂糖輸出国で、サンパウロにあるブラジル砂糖連盟( UNICA: União da Indústria de Caña-de-Açucar )本部を訪問することもできました。南米諸国を訪問するのはほぼ20年ぶりで、この間の変貌ぶりには、目を見張るものがあります。「ラテンアメリカから学ぶ」の授業を担当しているので、今回の成果を授業に活用したいと考えています。
 

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