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リオデジャネイロ・オリンピックと難民五輪選手団(教授:河内 信幸)

【2016年8月5日】


  国連本部(筆者撮影)      国連本部(筆者撮影)
                           上記の写真2枚は国連本部(筆者撮影)

ますます増大する難民

国連難民高等弁務官事務所(Office of the United Nations High Commissioner for Refugees:UNHCR)は、2015年6月に難民に関する『2014 Global Trend』を発表し、2014年の難民・庇護申請者の数が世界で約5,950万人にのぼり、第二次大戦後、最悪の事態を迎えていると警告を発した。

この難民数は世界で24番目の国に相当し、その半数以上は子どもが占めていることも忘れてはならない。主要な難民発生国は、シリア(約388万人)、アフガニスタン(約259万人)、ソマリア(約111万人)、スーダン(約66万人)、南スーダン(約62万人)と続く。こうした難民は増加の一途をたどり、2015年末には、前年より580万人以上増えて6,530万人にも達したと言われる。

初めての難民五輪選手団

国際オリンピック委員会(IOC)は、2016年3月にスイスのローザンヌで理事会を開き、オリンピックに出場できる可能性がありながら内戦などで祖国を追われた選手の支援を決め、リオ五輪で初めて「難民五輪選手団」(Refugee Olympic Team)が結成されることになった。

IOCは、練習環境のない選手を支援するために200万ドルの特別基金を設立するとともに、競技種目の出場資格をクリアーした選手による「難民五輪選手団」の結成を後押し、今回の特別参加が実現した。なお、前回のロンドン五輪では、南スーダンからの難民で、アメリカ在住の男子マラソン選手が個人資格で参加した例はあるが、公式の選手団結成は今回が初めてである。

「難民五輪選手団」は男子6人、女子4人で結成され、出身国は、南スーダン5人、コンゴとシリア2人ずつ、そしてエチオピアが1人で編成され、陸上、水泳、柔道の各種目に特別参加する。IOCはコーチや技術スタッフを支援し、開会式では五輪旗を掲げて入場する予定である。

スポーツと平和の意義を訴える

「難民五輪選手団」の団長を務めるのはケニアのテグラ・ロルーベさんである。彼女は、女子マラソンの元世界記録保持者であり、現役引退後、母国ケニアに平和財団を設立し、難民のスポーツ活動を積極的に支援してきた。

開幕を目前にした7月30日、まず競泳と柔道に参加する4選手が記者会見し、オリンピックに参加できる喜びと平和の尊さを涙ながらに訴えた。また、翌31日には、南スーダン出身の陸上選手5人が記者会見し、平和の大使として精一杯走りたいと抱負を語った。この5人の選手は壮絶な内戦の戦火をくぐり抜けて生き延び、現在は、南スーダンとの国境沿いにある、ケニア北西部のカクマ難民キャンプで暮らしている。

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