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第2回医工融合健康プログラム学内セミナー「抗ピロリ菌糖鎖の本来の役割は?」「Helicobacter pylori 診療 up-to-date」

【2018年1月12日開催】

演題1

「抗ピロリ菌糖鎖の本来の役割は?」中山淳教授(信州大学大学院医学系研究科 分子病理学教室)

  • 胃粘液は表層粘液と腺粘液に分類される。後者は糖鎖の末端にα1,4結合したN-アセチルグルコサミン残基(αGIcNAc)を含んでおり、α1,4-N-アセチルグルコサミン転移酵素(α4GnT)はその生合成に関わる糖転移酵素である。慢性胃炎や胃癌の原因菌であるピロリ菌は表層粘液に棲息し、腺粘液には見出せない。私達は、αGIcNAcがピロリ菌の細胞壁にあるユニークな糖脂質、CGLの生合成を阻害することで抗ピロリ菌作用を示すことを明らかにした。
  • αGIcNAcの役割はピロリ菌から胃粘液を守ることだけなのだろうか?その疑問に答えるため、A4gnt欠損マウスを作出した。このマウスの胃粘膜ではαGIcNAcが完全に消失し、さらに慢性炎症を基盤に分化型癌が自然発生したことから、αGIcNAcは分化型癌の発生を抑えていることが判明した。実際にヒト胃癌においてもαGIcNAcの消失は分化型癌の予後不良因子であった。

以上より、αGIcNAcは抗ピロリ菌作用と向腫瘍性炎症抑制作用の二つの異なる機序により、胃癌発生を制御していることが明らかになった。

演題2

「Helicobacter pylori 診療 up-to-date」春日井邦夫教授(愛知医科大学 消化管内科)

慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がんの発生・進展にHelicobacter pylori(H.pylori)が関与し、H.pylori除菌がこれらの疾患の治療や予防に有効であることが多くの研究により明らかとなった。2013年2月には、H.pylori感染胃炎に対する除菌治療が保険適用拡大となり、2014年には世界保健機関(WHO)国際がん研究機関(IARC)が「胃がん対策としてH.pyloriのtest&treatを行うこと」を推奨した。その後、わが国においてH.pyloriの診断や除菌治療が広く行われるようになり、国民総除菌時代となったが、その一方でH.pylori除菌率の低下、除菌後の逆流性食道炎や胃がんの発生などの新たな課題が認識されるようになった。本セミナーでは、臨床現場におけるH.pylori関連疾患の診療の実際と新たな課題について概説する。

日時

2018年1月12日(金曜日) 16時~18時

会場

5122講義室 (50号館2階)

連絡先

生命医科学科
岩本隆司
 iwamoto@isc.chubu.ac.jpメーラーが起動します または 古川鋼一 koichi@isc.chubu.ac.jpメーラーが起動します

開催報告

第2回学内セミナー 報告書 /tmp/documents/health/f7938f3fc8368027a0e0a6538f850976.pdf(PDF形式:約547KB)

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