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平成22年度 人文学部 日本語日本文化学科卒業 伊藤慶太さん

【2016年5月31日】

国家の治安を司る仕事の一端を担う

刑務官を志して

日本で3番目の規模を持ち、1,900人ほどの受刑者を収容している名古屋刑務所。伊藤さんはここで看守として受刑者の監視・警備・規律維持に当たっている。看守は刑務官の仕事の一つで、国の治安を司る公安職に区分される国家公務員。「仕事をすることで利益が出るわけでもありませんし、褒めてもらうようなこともありませんが、社会に必要な仕事です」。伊藤さんは、地域社会の治安・安全を守る場で人の更正に携わり、社会貢献をしたいと刑務官を志望した。

知られざる看守の仕事

看守の仕事は交代制で日勤と夜勤がある。日勤の場合は、夜勤担当者から申し送りを受け、受刑者の朝の点呼・点検から始まる。ここで健康状態や変わった様子がないかをチェックする。伊藤さんは犯罪傾向の進んだ再犯者や薬物常習者らを収容する昼夜間単独室を担当。一人一人に食事を出し、投薬が必要な者には処方された薬を渡す。刑務作業の指示もある。そして受刑者に不正や異変がないかは常に監視する必要がある。業務中は厳正な態度でいること、受刑者に公平に接することを心掛け、疲れた表情は見せない。「決して隙は見せません」。また、申し出があると、受刑者の余暇時間を利用して相談相手になることもある。「人生に悲観的になり自暴自棄になる人もいます。話を聞くだけですっきりすることもあるので、取り乱すことなく刑務所での生活を送るためにも大切なことです」。

受刑者への処遇は『刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律』に則って行われている。「食事の時間や量、手紙のやりとりの回数、面会時間など刑務所での生活や行動は全て法律で決められています。私たちはそれをしっかり理解して現場に入る必要があり、刑務官になって3カ月間は必要な知識や実務、護身術などを修得するために初等科研修を受けます」。それでも日々感じるのは人が人を処遇するのは難しいということ。「自分よりずっと年上の人を指導することもありますし、お互いの主張が異なって会話が成り立たない相手にも根気強く働きかけていく必要があります」

伊藤慶太さん

  • 伊藤慶太さん
  • 名古屋刑務所
  • 2010(平成22)年度 人文学部 日本語日本文化学科卒業

今後描くキャリアパス

伊藤慶太さん

毎日張り詰めた空気の中、神経をとがらせて勤務する伊藤さん。家に帰るとその緊張から一気に解き放たれる。学生時代はユースホステルクラブに所属し、部長まで務めたとあって、旅行好き。各地のおいしいものを目当てに奥様と旅行に出掛けて休日を楽しんでいる。一方で、今後のキャリアパスとして幹部職員になるため中等科、高等科で学ぶことも目指し、日々勉強に励んでいる。「刑法や刑事訴訟法、矯正実務六法をもっと勉強して、多角的な視点で矯正に携わりたいと思っています」

今できることを大切に

「表舞台だけでなく、人の目に触れないところで世の中を支えている仕事もたくさんあります。後輩たちにはいろいろな職業を調べて、自分のやりたいことを見つけてほしいと思います。そして、大学生の今だからこそできることを大切にしてほしいです」

※ウプト198号(2016年5月31日発行)より転載

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