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平成21年度 応用生物学部 食品栄養科学科卒業 川村怜子さん

【2015年11月30日】

食の研究開発を通して世界の人々の健康に貢献

鉄のスペシャリスト

 スーパーやコンビニなどで“これ1本で1日分の鉄分”“カルシウム2倍”などとうたった商品を目にしたことはあるだろうか。川村さんは、こうした商品を生み出す際のキーパーソン。太陽化学株式会社の総合研究所に勤務し、食品に加える鉄分やカルシウムの開発を担っている。人々の健康への意識が高まる中で、栄養が強化された食品への注目は高く、その元となる機能性素材の開発にも熱い視線が注がれる。中でも川村さんは鉄のスペシャリスト。本来不溶性のミネラルで液体に溶けにくい鉄を、乳化剤と併用することで飲料にも利用できるようにしている。「日々実験を繰り返して、鉄と乳化剤の最適な調合の割合を導き出しています。食品そのものの味や風味を損なわないように、また人が摂取した際にいかに体内に吸収されるかを考慮し、分析することも重要なポイントです」。 そもそも乳化剤とは、本来混ざり合わない水と油を、どちらか一方に分散させて均一にする、口当たりを良くするなどの役割を持つ。同社は食品用乳化剤の開発に日本で初めて成功し、以来全国の食品メーカーに提供し続けている。川村さんは大学で食品科学を学ぶようになってから、幼い頃から知っていたこの地元の会社が第1志望になった。そして見事入社がかない、幅広い事業を展開する同社で研究開発に勤しむ。「鉄のことなら川村さんに」。誇らしい瞬間である。

失敗の上に成功がある

「研究開発はうまくいかないことの方が多いです。でも『失敗はいくらでもしていい。失敗の上に成功があるから、どんどんチャレンジして成功を増やそう』という考えで取り組んでいます」。食品メーカーからもっと高濃度の成分を食品に加えたいと、さらに機能を追究した製品の開発依頼を受け、何年もの時間をかけて取り組む研究もある。苦労の末に製品が出来上がり、採用された時は何よりの喜びだという。

川村怜子さん

  • 川村怜子さん
  • 太陽化学株式会社
  • 2009(平成21)年度 応用生物学部 食品栄養科学科卒業

毎朝8時30分に登校した学生時代

川村怜子さん

大学で学んだ食品科学に関する専門知識を生かして業務にあたる川村さん。「微生物学、有機化学、無機化学は、改めて重要だと感じています。特に今扱っている鉄やカルシウムなどミネラルについては無機化学の分野が基礎知識として必要です。学生時代は苦手分野だったのですが、だからこそ頑張った分野でもあります」。授業が午後からの場合でも毎日8時30分には登校し、自主学習することを4年間続けた。当時を振り返り、「勉強ばかりしていましたね」と語る。唯一の後悔と言えば、英語をもっと勉強しておけば良かったということ。「仕事に関係する研究の英語論文を読むこともありますし、海外にも事業を展開しているので英語でメールをやりとりすることもあります。今の時代、どの業界でも英語は必要とされるので、ぜひ在学中に頑張るといいと思います」

食の未来を切り開くチャレンジ

学生時代と変わらずひたむきな姿勢で仕事に取り組む川村さん。「1つでも多くの機能性素材の製品を開発し、食を通して世界中の人々の健康に貢献していきたいです」。入社時と変わらぬ思いを抱きながら、川村さんのチャレンジは続く。

※ウプト196号(2015年11月30日発行)より転載

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