研究内容
研究内容の詳細は随時追加予定です。「中部大学研究者紹介」の内容はこちら(PDF形式:約0KB)。
ゲル材料を基盤とした機能性分子集合材料の開発
当研究室では、 有機分子が分子間相互作用により自発的に集まる自己組織化現象を利用して、様々な秩序構造や機能を発現する分子集合材料について、分子の設計から合成、構造や物性の評価まで一通り行っています。特に、ファイバー状の分子集合体が3次元的なネットワーク構造を形成することで、有機溶媒や水をゼリーのように固める低分子ゲル化剤に注目しています。このような材料に、光や力などの外部刺激によって色および分子構造を変える分子(クロミック分子)を用いて、外部からの刺激に応答してその集合構造や機能を変化させる分子集合材料の開発について、研究を進めています。
研究キーワード:ゲル、低分子ゲル化剤、自己組織化、液晶、フォトクロミズム、メカノクロミズム
研究例
随時追加していきます。
光二量化反応を利用した超分子ゲルの構造安定化
低分子ゲル化剤が形成する超分子ゲルは、共有結合に比べて弱い分子間相互作用を基盤とするため、ゲル化プロセスを熱可逆的に制御できるという利点がある一方で、その構造は架橋高分子が形成するゲルに比べ脆弱であるという欠点がある。この問題を克服するため、重合基を導入したゲル化剤分子の自己組織化ファイバーを共有結合により固定化する研究が多く報告されている。しかし、このような共有結合形成は一般に不可逆的であり、超分子ゲルの特徴である構造形成の可逆性は失われてしまうことが多い。そこで、超分子ゲルの特徴を残したまま、ゲル構造の安定化を達成することを目指し、ゲル化剤分子にクマリン部位を導入し、クマリンの可逆的光二量化反応による共有結合形成を利用してその構造の安定化を行ったところ、光照射によりゲルの熱安定性(Tgel-sol)や機械強度の向上が見られた。
トリフェニルイミダゾール骨格を有する低分子ゲル化剤の開発とクロミック挙動
その二量体が光や力に応答して分子構造変化を伴う色変化を示す2,4,5-トリフェニルイミダゾール(ロフィン)骨格に、水素結合部位と長鎖アルキルを導入した自己組織性分子を開発した。この分子は、単量体構造では、有機溶媒を効率的にゲル化し、二量体構造では、結晶、溶液、薄膜などの状態で、光や応力に応答して色変化を示すことを明らかにした。
過去の研究例
- ピリジン部位を有する新規低分子ゲル化剤の開発
- 光導電性部位を有するゲル化剤の開発と液晶中での異方的会合
- シアノビフェニル保護Pdナノ粒子分散液晶の調製と評価
- グリオキシム錯体の静水圧下でのラマンスペクトル変化
卒業研究・修士研究のテーマの一例
- 簡便に調製できる2成分系低分子ゲル化剤の開発
- 応力で色変化する水素結合性金属錯体のゲル化特性と液晶性
- 光修復性低分子ゲル化剤の開発
- 発光性ゲル化剤の開発
- 液晶性を示す低分子ゲル化剤の開発
- 二量化反応を利用した高分子ゲルの可逆的構造制御
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