工学部コンピュータ教育支援室(CAD)
Computer Aided Design(計算機支援設計)の総合実習施設。
CAD教育施設の特長
1993年に開設されたCAD教育施設は、2007年の更新の際に製造業を中心に利用されている3次元CADソフトや機械製図用2次元CADソフトなどを導入しました。また、2014年2月の更新では、ハイスペックのクライアントコンピューターとともに各種の3Dプリンターを導入しました。これらの装置は設計製図の実習や卒業研究などに使用されています。
CAD を取り巻く環境
製造業の分野では、3次元CAD(Computer-Aided Design)の導入が進むとともに3次元CAD データを用いた強度解析(CAE:Computer-Aided Engineering)や加工(CAM:Computer-Aided Manufacturing)が積極的に利用され、急激な技術革新が起こっています。その一方で3次元CAD やその関連技術を十分に理解した技術者が不足していることが問題となっています。
本学の取り組み
本学では、このような背景を考慮し、最先端のCAD/CAM/CAE に関する知識と技術を磨き上げる教育を行っています。具体的には、
- 2次元 CAD による製図を中心とした基礎教育
- 3次元 CAD による製図と CAE/CAM への展開を行う発展教育
- CATIA(キャティア)を用いた3次元 CAD の応用およびエンジニアリングデザインへの展開を行う応用教育
により、最先端の CAD/CAM/CAE の応用技術を修得した技術者を養成します。
施設全景
実習風景
学習環境
ハードウェア
Dell Precision T1700 :131台
高度な CAD 教育を実現するため高性能ワークステーションであるDellのPrecisionT1700を131台導入しました。グラフィックボードはNVIDIAのQuadro K2000を使用しています。
Roland DG社Modela MDX-20 : 40台
本施設は、小型のラピッドプロトタイピング装置であるRoland DG 社の Modela MDX-20 を40台設置し、設計したモデルの CAM による試作を可能にしています。
Roland DG社Modela MDX-540 :1台
Modelaシリーズの最上位機種であり、金属材料の加工が可能な装置です。卒業研究などで設計した装置の部品製作に用いられています。
Stratasys社Dimension BST 768 :1台
熱溶解積層法(fused deposition modeling、FDM)を利用した3Dプリンターです。材料はABSを使用し、200×200×300mmの大きさの造形が可能です。一層あたりの積層厚さは0.254mmであり、プラスチック部品の試作などに対応できます。
3D Systems社ProJet 460Plus :1台
石膏にフルカラーで着色しながら造形する3Dプリンターです。200×250×200mmの大きさの造形が可能です。一層あたりの積層厚さは0.1mmであり、建築模型やフルカラーの試作品などに対応できます。
ソフトウェア
AutoCAD Mechanical
AutoCAD は2次元の図面を描くソフトで製造業ではシェアナンバーワンです。本施設では、AutoCAD を100 ライセンス導入し、製図法の基礎や図面について学習します。
SolidWorks
Solid Works は簡単な操作で3次元モデルが作成できる基礎的なソフトであるとともに応力解析や固有値計算、熱伝導解析などの簡単な数値シミュレーションを行う機能を含んでいます。本施設では、Solid Works を200 ライセンス導入し、3次元CADやCAEの基礎を学習します。
CATIA V5
CATIA V5 はハイエンドな3次元CAD であり、トヨタ系列とホンダ系列のほぼ全社に導入されており、今後他分野への展開も大いに期待されるので、この技術を習得した本学の学生は大きな特徴を手にすることができます。また、CATIA は、自動車のボディーに代表される曲面を組合せたモデルの作成が可能であり、複雑な機械のモデリングが可能になるだけでなく、高度な数値シミュレーション機能やCAM 機能を備えています。本施設では、CATIA を40ライセンス導入します。これは国内の大学でも有数の規模であり、これにより、より高度なCAD の学習を可能としています。