中国連携推進プロジェクト

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「中国政府による日本行政官・大学関係者招へいプログラム」に参加しました!

【2016年10月31日】

 

実施日程:2016年10月9日(日曜)~15日(土曜)

 2014年4月より、JST中国総合研究交流センターの事業として「日本・アジア青少年サイエンス交流事業(さくらサイエンスプラン)」が開始されました。中国をはじめとするアジアの大学、研究機関あるいは高校から学生や研究者を日本に招待して、交流を深めることを継続して進めており、本学も2011年、2015年、そして2016年と本事業に採択され、そして工学部と応用生物学部を中心に協定校からの学生受け入れをおこなってきた実績があります。
 日中関係が厳しい中、本事業は最も効果的な日中間の人的交流活動の一つであるとして、中国政府、大学及び研究機関から高く評価されております。中国の文部科学省にあたる中国科学技術部は、「さくらサイエンスプランが日中間の科学技術交流を促進するのみならず、アジアの発展に貢献する極めて有意義な交流活動である」とし、日本の科学技術に携わる関係者を中国に招へいする「日本行政官・大学関係者招へいプログラム」が実施されました。行政官15名、JST担当者6名、独法および県の研究者12名、大学教員・職員45名の、計78名の若手メンバーが中国政府に招へいされ、本学からは宮内俊幸講師(応用化学科)、墨泰孝助教(応用生物化学科)、長谷川浩一准教授(環境生物科学科)の計3名が参加しました。
 滞在中は、朝から夜まで毎日スケジュールがびっしりでありました。北京市内を滞在拠点に、世界トップレベルの科学研究を推進する清華大学及び中国科学院への訪問、政府からの様々なバックアップを受けて独り立ちを始めたベンチャー企業が集う、中関村創業大通りおよびスマート製造大通りの視察をおこないました。
 

中国科学院にて

清華大学に向かうメンバー

 中盤から天津グループと済南グループとに分かれ、高速鉄道で移動しながらそれぞれ地方の研究・教育現場である山東大学(済南市)や天津科技大(天津市)、日本企業の高い技術を以て中国に進出し、合弁会社を設立して更なる成長を遂げている義昇環境設備有限公司(済南市)、耐火材料有限(済南市)、そして済南ハイテクパーク(済南市)、浜海ハイテク区(天津市)等を見学しました。

旭硝子との合弁会社(山東)

国家情報通信技術イノベーションパーク

 最終日は凸版印刷と故宮博物館のコラボプロジェクトである「バーチャル故宮研究室」を訪問し、最新デジタル技術により文化財をデジタル情報として保存・提供する試みを学びました。

中国人にも人気の故宮(大気は曇っていた)

夜の天安門前にて

 北京市内の交通状況は思ったよりも整然としていて、道幅も広くゴミも少なく清潔でした。スクーターを利用する市民も多かったのですが、全て電気式です。地下鉄網もたいへん充実していて、夜遅くまでほぼ時間通りに運航していて大変便利でした。13億人の人口を擁する巨大国家にもかかわらず、政府の意向が(ひとまず)細部までトップダウン式に浸透し徹底され、意思決定が迅速でかつ非常に力強い点こそ、中国の競争力の高さである(当然リスクも同時にはらんでいるのだが)と日本からの参加者は強烈に実感してました。また、本プログラムの参加者のひとりで、訪問先で靴底がはがれてしまうハプニングもありましたが、ひとまずホテルへ帰るまでにと路地の売店のおばちゃんがテープを巻いてくれたり、ホテルの受付の人が家までわざわざ接着剤を取りに行ってくれたりと、中国の人々からの心温まる親切なおもてなしも経験することができました。

 習近平さんの指導の下、依然と比べて随分と環境対策が徹底され厳しい規制が敷かれるようになったものの、PM2.5に象徴される環境汚染はまだまだ深刻であり、悪化の途を辿っているようにも見えました。グローバル化が一巡し、先進諸国がこぞってナショナリズムを「見直し」はじめているなか、新しい大国としての在り方を中国は提案し、爆発的な経済・技術発展の勢いとともに世界への影響力を高めています。経済発展と環境問題は表裏一体であり、またその問題は人類の共通問題でもありますので、特にアジア諸国の国々と明るい未来の計画を共有して相互に協力しながら発展させてゆくことが大切であります。中国滞在の間、これからの日本の在り方や本学の役割について、研究者としてまた教育者として何をなすべきか、そして何より身近にいる家族や学生達と一緒にどういった未来をつくっていこうかなど、多くの参加者と議論しながら思索にふける時間がたくさん持つことができました。危機感や不安も多い中、それ以上に期待も膨らませることができたことが何よりも収穫でありました。
 

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