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「平成30年度有機合成化学協会東海支部『若手研究者のためのセミナー』」 が開催されました

【2018年7月16日】

「平成30年度有機合成化学協会東海支部『若手研究者のためのセミナー』」が開催されました

 

中部大学応用生物学部は有機合成化学協会東海支部と共催して、7月14日(土曜日)に中部大学名古屋キャンパスにて平成30年度有機合成化学協会東海支部『若手研究者のためのセミナー』を開催しました。本セミナーは平成30年度における支部奨励賞を受賞された信州大学工学部の戸田泰徳先生、静岡県立大学薬学部の山口深雪先生にそれぞれ受賞講演をして頂き、さらに招待講演として、元高分子学会会長の澤本光男先生、前日本化学会会長の山本尚先生という、本学が誇る世界的に著名な先生方にご講演をして頂きました。

戸田先生には『二官能性テトラアリールホスホニウム塩触媒の開発』という受賞研究に関するご講演を頂きました。2-ブロモ-p-クレゾールのようなアリールハライドとトリアリールホスフィンから得られる二官能性テトラアリールホスホニウム塩は分子内にブレンステッド酸性部位と求核性部位を併せ持つ分子構造をもち、それらを触媒として巧みに活用した数々の反応例をご紹介頂きました。

山口先生には『パラジウム触媒を用いる位置選択的反応の開発と多置換芳香族化合物類の合成への展開』という受賞研究に関するご講演を頂きました。先生らのグループで開発された基質補足能を有する配位子ジヒドロキシターフェニルホスフィンとパラジウムからなる触媒は、医薬品や生理活性物質に多く認められるベンゾフラン骨格やインドール骨格を有する様々な化合物を合成できるとのことで、本講演ではそれらの例をわかりやすくご披露頂きました。

なお、これらの受賞講演の後、支部奨励賞受賞式が行われ、有機合成化学協会東海支部の支部長である 豊橋技術科学大学の岩佐精二先生より、賞状と記念品が贈呈されました。

支部奨励賞受賞式での記念写真(左より、山口先生、岩佐先生、戸田先生)

 

続いて、招待講演の1件目として、中部大学総合工学研究所の澤本光男先生に『精密重合と機能性高分子の精密合成: 有機合成化学と高分子化学との接点と協奏』と題したご講演を頂きました。澤本先生はリビングカチオン重合やリビングラジカル重合といった高分子の精密合成法を開発され、有機化学の分野で1997年-2001年の5年間の総被引用回数が日本で1位、世界で3位という、素晴らしい実績をお持ちの先生です。ご講演の中では、それらのアイデアのいくつかは有機合成化学協会誌を見て着想されたとのことで、高分子化学と有機合成化学のように、自らの専門を超えた学問にも興味を持って親しむことの重要性を教えて頂きました。

ご講演される澤本先生

 

最後に、中部大学分子性触媒研究センターの山本尚先生に『ルイス酸からペプチド合成に』というご講演をして頂きました。山本先生は錯体有機金属触媒を用いた不斉合成などで、非常に多くの素晴らしいご研究をされており、毎年ノーベル賞の発表が近付くと注目される非常に著名な先生です。しかし、今回ご講演頂いた内容はそれらの過去の話題ではなく、現在中部大学でご研究を進められている新しいペプチド合成の内容でした。現在の医薬品業界の潮流をとらえ、かつ、現在主流となっている固相合成法の問題点を的確に指摘され、これまで誰も考えなかった方法で驚くほど力強くご研究を進められていることに圧倒されました。この研究でもノーベル賞が狙えるのではと思った方は私一人ではないと思います。「化学は面白すぎる」、先生がご講演でつぶやいた一言がとても印象的でした。

 

質疑応答される山本先生

当日は中部大学の学生に加え、近隣の大学や医薬品および化学系企業の研究者の方々などにお越し頂き、合計67名と盛会でした。特に中部大学の学生には大変勉強になったことと思います。ご講演頂いた先生方、ご参加頂いた皆様に心から感謝申し上げます。

堤内 要 (応用生物化学科)

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