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第29回理学談話会「Spin Texture and Skyrmion(スピン織り目とスカーミオン)」

【2016年2月15日14時〜15時】

日時 2016年2月15日(月曜日) 午後2時00分 〜 3時00分
場所 9号館2階 923講義室
話題提供
倉辻 比呂志先生(立命館大学理工)
  Center for Polymer Studies and Department of Physics, Boston University, Boston, Massachusetts 02215 USA
  Departamento de Fsica, Instituto Federal de Educac~ao, Ci^encia e Tecnologia do Maranh~ao, 65030-005 S~ao Lus, MA, Brazil
  Center for Polymer Studies and Department of Physics, Boston University, Boston, Massachusetts 02215 USA
  Departamento de Fsica, Instituto Federal de Educac~ao, Ci^encia e Tecnologia do Maranh~ao, 65030-005 S~ao Lus, MA, Brazil
  Center for Polymer Studies and Department of Physics, Boston University, Boston, Massachusetts 02215 USA
  Departamento de Fsica, Instituto Federal de Educac~ao, Ci^encia e Tecnologia do Maranh~ao, 65030-005 S~ao Lus, MA, Brazil
  Center for Polymer Studies and Department of Physics, Boston University, Boston, Massachusetts 02215 USA
  Departamento de Fsica, Instituto Federal de Educac~ao, Ci^encia e Tecnologia do Maranh~ao, 65030-005 S~ao Lus, MA, Brazil
概要
Extended Standard Model in Multi-Spinor Field Formalism
                    -- Bright World versus Dark World --
 
多重スピノール場の形式による標準模型の拡張
―― 明世界と暗世界 ――
 
LHC実験によって、ヒッグス粒子の存在が確認された。これにより、素粒子の
標準模型は、自然界の一部分を記述する理論形式として確立されたと考えられる。
しかし、この形式は宇宙を構成する主成分である暗黒物質の存在を説明すること
ができない。また、標準模型は、通常の物質の構成要素である基本フェルミオン
が“三つの家族”を構成することを仮定するが、その根拠を明らかにすることが
できない。今回のセミナーでは、標準模型が抱えるこれらの限界を越える試みと
して提唱された“多重スピノール場の理論”を詳しく紹介する。この理論は基本
フェルミオンとして、通常の“三つの家族”と共に、暗黒物質の主要な構成要素
となる“もう一つの付加的な家族”を含んでいる。暗黒物質と同定される基本的
フェルミオンの特性と観測方法を説明し、素粒子物理と宇宙物理の融合を論じる。
 
                              曽我見郁夫講演要旨:
texture (織り目)は, 空間の点に, (広い意味での)''方向ベクトル''を配置した「場」であり, 種々の物理系においてあらわれる現象である. とくに, スピン構造をもった織り目が重要である. 量子系においては, 2 層系量子ホール流体および, spinor BECのスピン構造, それと構造を同じくする 超流動He3A を特徴づける l ベクトルが典型的な例としてあげられる. 古典的対象としては, ネマティック液晶の 方向ベクトル n偏光の属性をもつ電磁場があげられる. double strand DNA も一次元spin texture の例とみられる. 今回の話は, spin texture に関して,  うえであげた例を具体的に与えて, その位相普遍量(topological invariant )についてのべる. 場を具体的に構成するには, スピン構造をもった「解」を構成する必要がある. これは, Skyrmion (トポロジカルソリトン)として実現される. 具体的な例として, 非線型複屈折性媒質中の偏光の場に対するソリトン(or 渦) について話をする予定である。時間があれば, もっと一般のtexture 構造(たとえば, complex Grassmann manifold(複素グラスマン多様体)で特徴づけられる秩序変数をもつ系)にもふれたい.

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