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第28回理学談話会「あるサブクォークモデル」の提案(標準モデルを超える理論的試みとして)

【2015年12月24日15時20分】

日時 2015年12月24日(木曜日) 午後3時20分 〜 4時30分
場所 9号館5階 953講義室
話題提供
松島 武男 先生 (中部大学非常勤講師)
  Center for Polymer Studies and Department of Physics, Boston University, Boston, Massachusetts 02215 USA
  Departamento de Fsica, Instituto Federal de Educac~ao, Ci^encia e Tecnologia do Maranh~ao, 65030-005 S~ao Lus, MA, Brazil
  Center for Polymer Studies and Department of Physics, Boston University, Boston, Massachusetts 02215 USA
  Departamento de Fsica, Instituto Federal de Educac~ao, Ci^encia e Tecnologia do Maranh~ao, 65030-005 S~ao Lus, MA, Brazil
  Center for Polymer Studies and Department of Physics, Boston University, Boston, Massachusetts 02215 USA
  Departamento de Fsica, Instituto Federal de Educac~ao, Ci^encia e Tecnologia do Maranh~ao, 65030-005 S~ao Lus, MA, Brazil
  Center for Polymer Studies and Department of Physics, Boston University, Boston, Massachusetts 02215 USA
  Departamento de Fsica, Instituto Federal de Educac~ao, Ci^encia e Tecnologia do Maranh~ao, 65030-005 S~ao Lus, MA, Brazil
概要
Extended Standard Model in Multi-Spinor Field Formalism
                    -- Bright World versus Dark World --
 
多重スピノール場の形式による標準模型の拡張
―― 明世界と暗世界 ――
 
LHC実験によって、ヒッグス粒子の存在が確認された。これにより、素粒子の
標準模型は、自然界の一部分を記述する理論形式として確立されたと考えられる。
しかし、この形式は宇宙を構成する主成分である暗黒物質の存在を説明すること
ができない。また、標準模型は、通常の物質の構成要素である基本フェルミオン
が“三つの家族”を構成することを仮定するが、その根拠を明らかにすることが
できない。今回のセミナーでは、標準模型が抱えるこれらの限界を越える試みと
して提唱された“多重スピノール場の理論”を詳しく紹介する。この理論は基本
フェルミオンとして、通常の“三つの家族”と共に、暗黒物質の主要な構成要素
となる“もう一つの付加的な家族”を含んでいる。暗黒物質と同定される基本的
フェルミオンの特性と観測方法を説明し、素粒子物理と宇宙物理の融合を論じる。
 
                              曽我見郁夫講演要旨:


 CERNの大型ハドロン衝突型加速器LHCでの素粒子実験が行われた2012~2014年の第一期実験では、126GeVヒッグス粒子が発見されたものの、当初予見されていた標準理論において必要とされている超対称性粒子(スーパーパートナー)は発見されなかった。このことは素粒子論の今後の発展において 少なからず混迷をもたらしている。2015年からはじまった第二期実験でも発見できなければ超対称性理論は窮地に立たされ、今まで実験を非常に良く説明してきた「スーパーパートナーの存在を理論的根拠とする」標準理論は危機に陥ることになる。 

 さらに、スーパーカミオカンデで確立した「ニュートリノが質量を持つ」という知見は、ニュートリノの質量が厳密にゼロであることを前提とした標準理論の改変を迫るものである。

 そこで、標準理論を超える可能性を探ることを意図する一つの試みとして「サブクォークモデル」を提案する。それはe/6を電荷の最小単位とする一種類のスピン0のスカラー粒子とスピン1/2のフェルミオンを「内部構造を持たない素粒子」と考え、それらの複合体として「クォーク、レプトンを構成する」というものである。さらに、相互作用を担うゲージ場(重力、電磁気力、強い力、弱い力)を統一的に理解するために微分幾何学におけるファイバー束理論を用いて考察する。

 


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